3−4X10月 
(監・脚・出)北野武、(出)ダンカン、柳ユーレイ、ガダルカナル・タカ、布施絵里

ガソリンスタンドで働いていた男がヤクザに絡まれた。それがもとで沖縄に拳銃を買いに出かけるが、そこで無茶な暴力団員と出会う。

北野武の独特の世界が色濃く反映された作品で、この後の作品で繰り返して描かれる点が多数ある。そううい独特のものの最初ということで評価したいところだが、私の見る順序が違っていること、またこの映画に関して少々バイオレンスのみが際だってあまり良い印象でないこと、またガソリンスタンドの店員やそれについて行った女、バーの店長などの行動自体にあまり説得力がないという点は、マイナス。















GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊 95・80分
(監)押井守

近未来、人体のサイボーグ化が進み、脳まで機械化する者もいた。その電脳に入り込み犯罪を犯すハッカー集団が現れ、特殊警察がそれを追う。

80分の短いアニメながら、出だしからどっぷり世界に入り込んでしまっているので、何のことかよく分からない言葉や話の展開。話の内容はアニメならではの凝りようだし、つくりも上等だが、最後のオチのところも頭で理解するレベルで、少々敷居が高く感じられた。

















あ、春 98・100分
(監)相米慎二、(出)佐藤浩市、山崎努、斉藤由貴

婿養子となって資産家の娘と結婚、現在証券会社に勤める男の前に、子供の時に死んだと思っていた父親が現れた。

話の流れや感情のバランスなどはうまくいっていて良いのだが、登場人物は普通の人で魅力的とはいえず、映像面も東京の家とその近所のみで興味をそそられない、地味な作品。キネマ旬報98年度邦画1位の作品だったりする。













OUT 02・119分
(監)平山秀幸、(出)原田美枝子、倍賞美津子、室井滋、

弁当を作る工場で働く女性4人組のうちの一人が、旦那の暴力に耐えかねて旦那を殺してしまう。そして残りの3人も死体の処理を手伝う羽目に陥ってしまう。

殺した本人の殺人のあとの異様な反応と、それを手伝う人達の感情のバランスが悪すぎて、いかにも嘘っぽい内容の映画。手伝う必要なんて全然ないと思ってしまう。












生きたい 99・119分
(監)新藤兼人、(出)三國連太郎、大竹しのぶ

お漏らしをするようになった老人は姨捨山(おばすて)の話に興味を持つようになる。そして自分も現代の姨捨山の老人ホームに放り込まれるのではないかと恐れ始める。一方同居している娘はそんな父にひどいことを言うのであった。

内容を書くと暗い話のようになってしまうが、コメディの要素満載で大竹しのぶが毒づきまくりのおかしな役を見事に演じているし、カーネーションも笑える。また、こういう老人問題などの現代の問題をコメディにして見せている監督の手腕は素晴らしい。ただ最後はよく分からなかったが。













いつかギラギラする日 92・108分
(監)深作欣二、(出)萩原健一、木村一八、荻野目慶子

プロの強盗集団が現金収集車を襲撃した。しかし仲間割れが起こってしまう。

+現実味はないがこの程度で仕方ないのかと思えるストーリー
+当たらないガンアクション
+車を壊すだけのカーアクション
+馬鹿な若者ふたり
=虚しい気持ち
あまりの古くささに、福沢諭吉の1万円というのは、少々驚きというか違和感があるくらいだ。ただつまらぬ映画を作ったときのむなしさを感じることが出来たのは良い点か。











海がきこえる 93・82分
(監)望月知充


高知の高校に東京から転校生の女の子がやって来た。かわいくて頭が良くスポーツも出来る女の子だったが、皆と馴染まないのであった。

ジブリのアニメ。ちょっとほろ苦い感じの青春もので、話の内容はまずまず。高知弁を話している点なんかも良い。ただ主人公の女の子の特徴のない顔立ちが、どうしても受け入れられなかった。どうせならもっと美人に描いても良かったように思う。というか、こういう普通のドラマは実写の方がいいのに。
どうも馴染めなかったのできつめの評価。




















絵の中のぼくの村 Village of Dreams 96・112分
(監)東陽一、(原作)田島征三、田島征彦、(出)原田美枝子

絵本作家である双子の兄弟が幼い日を過ごした高知県での生活を描く。

作りはあまり良くなく、昭和23年の話というのにそれほど古い時代に見えないし、子役の演技も悪いというわけではないが、棒読みっぽいところがあったり、話の内容もあったことを並べているに過ぎないが、こういった実際の少年時代を描いたものは好きで、こんな何気ない日々を少年時代は過ごしていたなあと思えるところは良い。
また、よそ者に冷たい様子や部落?の少年に対する仕打ちなど、昔の田舎の人たちの差別を描いているところも評価したい。
途中ばあさん3人が木の上に登って何をやっているのかと思ったら、妖精というか霊という設定だった。





















溺れる人 00・82分
(監)一尾直樹、(出)片岡礼子、塚本晋也

風呂に入っていた妻が浴槽で溺死しているのを夫が発見した。夫は気が動転しつつもとった行動は・・・・。

話の内容は小品としては良いのだが、低予算映画ゆえ場面がほぼアパートの中、登場人物も少なく少々眠気に襲われた。うつむいた塚本晋也の顔は愛嬌あるねえ。


















学校 93・128分
(監・脚)山田洋次、(出)西田敏行、竹下景子、荻原聖人、田中邦衛

人情味ある夜間中学校の教師のクラスには、幅広い年齢のさまざまな人生を送ってきた生徒がいた。

学校を舞台にしたほのぼのドラマは嫌だなあと思いつつ見だしたので、前半は興味の沸かないしみじみ話が多く、映像面の見どころもないのも手伝ってちょっと見る気を喪失しかけたが、田中邦衛演じるイノさんの話からようやく山田洋次ワールド全開となり、そこはとても面白かった。点は前半が響いて星二つ。
ちなみに松崎運之助(みちのすけ)『青春 夜間中学界隈』という本が元だそうで、イノさんの話は実話だそうな。












学校II 96・112分
(監)山田洋次、(出)
西田敏行、吉岡秀隆、永瀬正敏

北海道の特別養護学校の先生と、いろいろトラブルを巻き起こす生徒を描く。

前作が教室の中が多かったのに対し、今回は外の場面が多く、あんまり説教臭くなってないので素直に見られた。
また、知恵遅れや問題を抱えた生徒を描いている点も評価したいし、内容自体は山田洋次流に人情のあるようにまとまっていて、実際の厳しさみたいなものはあまり描かれていないが、それも仕方ないでしょう。


ちなみに最初のスキー場のシーンで出てくる女の子に注目。私は完全スルーして、見直して分かった。















学校III 98・133分
(監・脚)山田洋次、(出)大竹しのぶ、黒田勇樹、小林稔侍


夫を亡くし自閉症の息子を持つ母が会社を解雇され、新たな安定した職を得るため、職業訓練学校に通い始めた。

今回は職業訓練学校に通う中年の生徒たちの結びつきを描いていて、中年の人たち主体なので派手な見どころがあるとは言えないが、描き方自体はしっかりしていて、生活のため苦労する人たちの姿をまじめに描いている。
ただ、不幸な境遇からさらに不幸になっていくという話の展開には少々驚いた。生活の厳しさを描こうとしたのかもしれないが、どうなんでしょう、私はあんまり面白いと思えなかった。何でかなあと考えると、自閉症の息子がちょっとやりすぎかなあ。確かに不幸は重なるのかもしれないが、ここまで重なると苦労だけを見せられているような印象だし、やっぱりラストが好きになれないなあ。












カンゾー先生 
(監)今村昌平、(原作)坂口安吾、(出)柄本明、麻生久美子、松坂慶子

岡山県の海辺の村に住む町医者は、いつも病名が肝臓炎だというので、カンゾー先生と呼ばれていた。そんな彼の元に、招かざる患者がやって来る。

一言で言うと、ピンこない内容。肝臓炎のとらえ方をどうすればいいのか、これって実際の病気としてとっていいのだろうか、当時の社会の病巣を象徴していると見ようとしても、最後以外単なる病気としかとりようがない。ストーリー展開は悪いとは思わないが、主人公に面白味がない。逆に女の子やモルヒネ中毒の男の方が生き生きとしていた。












がんばっていきまっしょい 98・120分
(監)磯村一路、(出)田中麗奈、中嶋朋子


男子ボート部のある学校に通い始めた女の子が、女子ボート部を立ち上げた。そして仲間をあつめて、練習を始める。

実際の高校生活を描いているような、派手なところはないが確かに高校の時ってこんなんだという、実感が伝わってくる映画。内容も地味だが話し言葉などはしっかりしているし、あんまりお金のかかってない映画としては納得の出来。
ただ中嶋朋子演じるコーチはもう少し他の描き方があったろう。














菊次郎の夏99・121分
(監・脚・出)北野武、(出)関口雄介、岸本加世子

おばちゃんと暮らす小学3年生の少年が、誰か知らないヒマそうなおじさんと二人で、お母さんを探しに出かける。

笑いとしんみりしたところのバランス、日々の生活のなかででふと哀愁を感じるものや風景のとらえ方のうまさが、たけちゃんのすごいところ。後半義太夫とらっきょの場面は不要にも思えたが、これも愛嬌でしょう。音楽も傑作。













午後の遺言状 95・112分
(監)新藤兼人監督、(出)杉村春子、乙羽信子、朝霧鏡子、観世榮夫

別荘に避暑にやって来た年配の女優のもとに、彼女の昔の仲間が訪ねてやって来た。しかし彼女はぼけていた。

老人を描いたものだが、重苦しいところはなく、それでしっかり老いを描いてる点は評価できるし、話の内容もまずまず。
ただ感動するというほどでもなかったし、泥棒の一件はあまりに突発的過ぎるし、送り迎えでサイレンを鳴らしたり、最後もちょっと問題あるような。杉村春子主演の最後の映画。


















サンデイドライブ 98・96分
(監)斎藤久志、(出)塚本晋也、唯野未歩子

中年のレンタルビデオ屋店長とそこのアルバイトがトラブルを起こし、車に乗って二人で逃げるが・・・

塚本晋也監督かと思ったら、彼は出演制作。
出だしの場面、前に女の子がいて、その後ろに男が座っていて、男の姿が見えない。それでも会話しているというところに、まさかという驚きがあった。それを2度繰り返しているので、意図してやっていると思えるのだが、なかなか勇気があるし面白い。ただあとの金のかかってないつくりをみて、本当に意図しているのか疑問にも思えるが。
話の内容は小話程度で悪くはないが、練られているという感じもなく、とにかく低予算ということで、すべての面においてレベルが低いし、映像面も最初以外は見所がなかった。
ただ、何でそうなったのだろうと思える登場人物の行動や、この場面は必要性あるのか、こうすればいいのになど、不思議といろいろ考えることがあったので、甘めの星一つ。













三文役者 00・126分
(監・脚)新藤兼人、(出)竹中直人、荻野目慶子、吉田日出子、乙羽信子

酒と女が好きでいろいろ問題を抱えつつも、持ち前の明るさで役者人生を生き抜いた殿山泰司の姿を描く。

オランウータンみたいな顔と大きな耳が特徴の殿山泰司、名前を知らない人でも見たことがあると思う。彼の私生活と新藤監督との映画撮影中の出来事を中心に描かれた映画で、竹中直人が殿山泰司の明るく憎めない人柄を見事に面白く演じている。私はもう最初から頬がゆるみっぱなしで、終わり頃は号泣してました。
この映画には新藤監督作品の撮影に関する話があり、「裸の島」「銀心中」「人間」「母」「鬼婆」「悪党」「落葉樹」の作品の事が述べられていて、全部とは言わないまでもいくつかの作品を見てから、この映画を見た方がいいでしょう。
また一言言わせてもらえば、この映画はキネマ旬報2000年邦画部門6位で、評価していない人は一体何を見ているのだろう。















シコふんじゃった。 91・103分
(監・脚)周防正行、(出)本木雅弘、竹中直人、田口浩正、清水美砂、柄本明

部員がひとりで廃部寸前の相撲部にかり出されたミーハー男が、やる気のないまま試合に臨むが・・・

スポーツコメディとして文句のない出来。100分ほどの短めの映画だが、面白おかしくあっという間に時間が過ぎた。まあ話の展開自体は読めちゃうけど。弱者同士の対決ってのは、結構笑えるものだね。


















人狼 JINーROU 99・98分
(原作・脚)押井守

戦後の日本の混乱のなか反政府運動が凶悪化、それに対処するため新たな治安部隊が創設された。その部隊は特殊な防護服で身を守り、マシンガンを装備した強力なものであった。

最初の前提はいいにしても、政府内の対立で死者がごろごろ出てしまうというのは話の筋がずれている。また狼の話もピンとこないし、隊員も単なる公務員なのに何で?と思ってしまうのは、日本を舞台にしているためだろう。これがアメリカならだいぶ違ったように思える。













死の棘 90・115分
(監・脚)小栗康平、(原作)島尾敏雄、(出)岸部一徳、松坂慶子、木内みどり

特攻隊の生き残りで作家をしている男の浮気が妻にばれた。それが元で妻が激しいヒステリーを起こすようになった。夫は浮気を清算し、すべてを妻に捧げると誓うが、妻の言動の異常さは収まらなかった。

最初から最後まで妙な棒読み台詞で、それが笑いを誘うところもあり、その奇妙な点だけが私にとって良かったところ。内容に関しては、妻の方はともかく夫の方までつかみ所がないのは、話がこちらに伝わってこなくなる原因だと思えた。また特攻隊の生き残りという部分が、どういう風に関係しているのか映画からだと伝わってこなかった。
 カンヌで賞をもらったのだが、何で外人にこの映画が良く映ったか不思議だし、批評家ならともかく一般の人には何のことやら分からない映画のように思える。











Shall We ダンス? 96・136分
(監)周防正行、(出)役所広司、草刈民代、竹中直人、渡辺えり子、柄本明、原日出子、田口浩正

偶然目にしたダンスホールにたたずんでいた女性が気にかかり、ダンスなどしたことのない普通のサラリーマンがダンス教室に通い始める。

社交ダンスという日本ではどちらかというとマイナーな趣味というかスポーツを一気に有名にした映画。出来内容とも素晴らしい。特に私は竹中直人に目が釘付け。後ろの方にいても気になって、くすくす笑っていました。















スパイゾルゲ 03・182分
(監・脚)篠田正浩、(出)イアン・グレン、本木雅弘

第2次大戦中、ソ連のスパイとして日本で活躍したゾルゲと、彼に情報を与え続けた尾崎秀実の姿を描く。

ゾルゲと尾崎の描かれ方も物足りないが、それ以上に、彼ら以外の人や出来事が長々と描かれているのは奇妙としか言いようがなく、文句を並べればきりがない。ただ名前だけ聞いたことがあってミステリアスな印象をもっていたゾルゲという人物も、地味な性格と地味な活動をしていた人だったということが分かった。この印象すら間違いかもしれないけど。










ソナチネ 93・93分
(監・脚・出)北野武、(出)寺島進、渡辺進、勝村政信

若頭として羽振りの良いやくざが、親分の要請で沖縄の抗争の助けに出かけることになった。ところがそれがもとで相手方もやる気になってしまう。

北野武の鉄砲を使った暴力表現の斬新さが良いところだが、「HANABI」を見たあとだったから、内容が物足りなかった。沖縄では遊んでいるか鉄砲ぶっ放すかのどっちかだけだし、女の子もほとんど通りすがりだし、主人公もどんな人なのか分からなかった。ちょっと期待しすぎたなあ。










月とキャベツ 96・100分
(監)篠原哲雄、(出)山崎まさよし、真田麻垂美、鶴見辰吾


人気のあった歌手が活動を休止、彼は人里離れた山でキャベツを作りつつ生活していた。そんなとき一人の女性と出会う。

ちょっと変なファンの女と不調の歌手のやりとりで話が進む。あんまり面白くないが、ひどいというほどでもなかったが、ラストはさすがにあきれました。山崎まさよしのミュージックビデオですか、これは。

















東京日和 97・121分
(監・出)竹中直人、(出)中山美穂、松たか子、三浦友和


写真家荒木経惟と妻陽子さんの生活を描いた映画。

ちょと抜けたような妻で、何をしでかすか分からないため夫を不安にすることもある、そんな夫婦生活を描いている。ほのぼのした内容だが、竹中直人の優しさが全面に出ていて、結構好き。ただ内容は少々問題有りで、実話をもとにしているから仕方がないけど、最初の不和の場面やおかしな行動の一連の流れが、病気とは関係ないというところが、映画の展開としたら納得いかない。
でもこういうあんまり映画にならなそうな人を描いている点は評価したいし、やっぱり竹中直人がすきなので甘く星三つ。


















TOKIOフィスト 95・87分
(監・脚・出)塚本晋也、(出)藤井かほり、塚本耕司、六平直政、輪島功一、竹中直人

プロボクサーの後輩が、先輩の家にやって来た。そして先輩の美しい恋人にちょっかいを出してしまう。それを知った先輩の男は、自ら後輩の通うボクシングジムに入門するのであった。

異常さとコミカルさの混ざった主役3人の関係と、それを取り巻く映像は別世界といって良く、まさに塚本晋也ワールドで、「鉄男」は完全にかっ飛んでいたが、この映画はストーリーの現実味も加わって、文句ない素晴らしい出来。「猟奇的な彼女」の比ではない、藤井かほりにちょっと惚れちゃいました。まあ、女の子には少々きついかもしれしれないけど。










虹をつかむ男 96・120分
(監)山田洋次、(出)西田敏行、吉岡秀隆、田中裕子、田中邦衛、倍賞千恵子

徳島で小さな映画館を営む男、儲からないが町の人のためにと営業してきた。そんな彼の元にぶらぶらしている青年がやって来たので、働かせることに。

人情味ある映画館経営者の話で、いかにも山田洋次らしい。というか寅さんシリーズの後をつぐべく期待されていたらしい。私は映画ファンとして好きな内容だが、「ニューシネマ・パラダイス」や「かくも長き不在」など話の内容をいいところまでしゃべっていたりするので、見ていない人にとっては少々迷惑でないかな。















虹をつかむ男 南国奮斗編 97・112分
(監)山田洋次監督、(出)西田敏行、吉岡秀隆、小泉今日子、哀川翔、松坂慶子

映画館を休業した男が、旅回りの映画興行を始め、奄美大島に。

寅さんの後継シリーズとしてこの2作目もまずまずの出来。特別に何がいいというほどのことはないが、山田洋次の人情コメディ映画として安心して見られた。ただこれがシリーズ最後。好きだったからもう少し続いて欲しかったが。



















眠る男 96・103分
(監)小栗康平、(出)安聖基、クリスティン・ハキム、役所広司、田村高廣

山あいの町に住む老夫婦の家には、事故を起こして寝たきりになった男がいた。介護は続いていたが、相変わらずの状態で、その間にも町の人たちの生活は続くのであった・・・。

小栗康平監督は群馬県前橋市出身だそうで、この映画も群馬県が200万人を突破したのを記念につくられたそうな。
 内容は山あいの田舎の町の人たちの暮らしを描いていて、大したことが起こるわけでもない。タイトルにもあるように、事故で植物人間になった男が出てくるが、寝たきりだし。
 では何が良かったかというと、日本の山のある生活、山のもとで死んでいくという、日本昔話のような話を見事に現代に蘇らせたという点で、日本の山の豊かさを改めて知ると同時に、その豊かさに甘えて自然を壊して省みない日本人の姿勢に対するささやかな批判も感じられた。













のど自慢 
(監)井筒和幸、(出)室井滋、尾藤イサム、大友康平

桐生市でのど自慢が開催されることとなった。そして多くの人が予選に参加するのであった。

いろんな人の、のど自慢大会に至るまでの小話の寄せ集め。演歌歌手の話はいいにしろ、そのほかの人の話はいまひとつ。大友康平の話は悪くないけど、演技過剰というか下手。やっぱり竹中直人ほどでないとどうにも見てられない。
で、予選、本戦がいかにもという感じで、歌を歌ってお決まりの小話がちょろっとはいるだけだから、たいして盛り上がらなかった。妊婦のところなど、そのまんますぎて、こっちが困惑。















BULLET BALLET バレット・バレエ 99・87分
(監・脚・出)塚本晋也、真野きりな、中村達也、井筒和幸

恋人が拳銃で自殺したことがきっかけで拳銃に異常に執着し始めた男が、オヤジ狩りの若者に復讐しようとするが・・・。

男の気持ちが理解できないし、女とのつながりも理解できない。それに加えて意味のないバイオレンスシーンの連続にほとんど見る気を喪失。塚本監督はいいものを作るのに、何でこういったものも作ってしまうのかねえ。


















病院で死ぬということ 93・100分
(監)市川準、(出)岸辺一徳


病院に入院し余命わずかの人々の病院での生活と、家族の絆を描く。

実際病院にお見舞いにいったらこんな感じだろう、ということを描いている。ただ小話程度の内容だし、ほのぼのと町の風景なんかを見せられるのも、確かに映像にすれば懐かしい感じは沸くものの、散歩していた方がいいようにも思える。私は15分ほどで戦意喪失。


















豚の報い 99・118分
(監・脚)崔洋一、(原作)又吉栄喜、(出)小沢征悦、あめくみちこ、上田真弓、早坂好恵、岸辺一徳、吉田妙子

場末の飲み屋でホステスをしている女3人と、父の遺骨を探す一人の男が、厄払いのお祈りをするために小さな島へ向かった。

はじめの豚の場面は傑作で、お姉さんの沖縄の言葉も心地よく、とても面白かったが、後半はさほど話が進展している感じがしなかった。小説を読んでないので、女の行動が一気に束縛されるということに何の意味があるのか分からなかったが、それによって面白くなくなっていったと言うのも事実で、その後に主人公の男が女に道を与える、みたいに活躍してくれれば納得もできたろうが、ただただ振り回されているだけでは物足りない。















ふたり 

(監)大林宣彦、(出)石田ひかり、中嶋朋子、富司純子、岸辺一徳

姉が事故に巻き込まれ死亡してしばらくたったある日、妹の元に姉の幽霊が現れ、それからしばらく一緒に学校生活を過ごしていくのだった。

死んだ姉が妹の周りをウロウロする話で、最近こんな映画ばっかり作られているのもあって、少々うんざり。
この映画は妹の学校生活と家族の様子を描いているのだが、主役が女の子ということであんまり勢いがないし、何かをやろうという女の子でもないので、たいして面白くないし、長いし、事故の場面やマラソンの場面などのお粗末さも見る気を削ぐ。


















二人が喋ってる。 
(監)犬童一心監督

お笑いコンビを組んでいる女性二人の現在の葛藤と、コンビを組むまでと彼女らの仲間と家庭を描く。

犬童一心初監督作品で一気に名を知らしめた作品。大阪を舞台にしたお笑いコンビの話で、会話のテンポがとても良いし、その内容も楽しい。67分という短い映画で、これが90分以上でもうひとヤマあれば、満点だったろう。
ちなみにこの女性コンビは実際のコンビだそうで、ほかには小松政夫や坂田利夫など多数の芸人が出演している。

「金魚の一生」という、漫画と写真を合わせたような作品もDVDに収録されていたが、それはさっぱり面白くなかった。












墨東奇譚 92・116分
(監)新藤兼人、(出)津川雅彦、墨田ユキ、宮崎淑子

昭和11年東京の向島の玉の井と呼ばれた遊郭街で取材をしていた永井荷風は、一人の遊女と出会う。

永井荷風の同名本(墨にはさんずいがつくが、表示不能)を主軸に、売れっ子作家になって以降の彼の生活を描いていて、つくりは上等だが、面白いか興味が沸いたかと言われると、あんまりと言わざるを得ない。彼や当時の風俗に興味のある人向けの映画かなあ。












鉄道員(ぽっぽや) 99・112分
(監)降旗康雄、(出)高倉健、大竹しのぶ、小林稔侍、広末涼子、吉岡秀隆、安藤政信


北海道の地方路線で長年働いてきた鉄道員の男も定年を迎えつつあった。そんな彼にはつらい過去があった。

雪の降る北海道のさびれた駅を舞台に、しんみりするような話の内容。ちょっとありがちな感じがないでもないがそれはおいといて、ちょっと気になったのは、鉄道員だからということで亀裂が生じているが、その点には違和感を覚えた。確かに鉄道を止めるわけにはいかないが、鉄道員だからどうこうというのは、いまの目から見ると納得いかない。昔は休めなかったのだろうか。

広末涼子ちゃんが出てくるが、パッケージなどから想像したより全然時間は短かった。
あんなかわいい子が鉄道オタクだったら、タモリクラブの鉄道の回も大盛りあがりだろう。













マークスの山 95・135分
(監)崔洋一、(原作)高村薫、(出)萩原聖人、中井貴一、名取裕子、小林稔侍

奇妙な道具で頭を突き刺された殺人事件が起こった。それを捜査していたのもとに、同じような手口の殺人事件の情報がもたらされる。

出だしの展開は謎が謎を呼ぶみたいな感じで良く、中居貴一の活躍に期待と思って見ていたら、後半は地味に話が収束していくだけで物足りなかったし、貴一ちゃんの活躍も期待したほどではなかった。また、2発目の弾道はどう見てもNGだが、どうしたのだろうか。某監督が意外な役で出ていて、はまり役だったのは笑えた。






















まあだだよ 
93・134分
(監)黒澤明、(出)松村達雄、香川京子、井川比佐志、所ジョージ、寺尾聰

作家内田百閧ニその教え子達との交流を描いた話。

とってもほのぼのした話で、映画の中の人たちだけが面白がっている感じの、盛り上がらない宴会のシーンが結構長い。ただ実際その程度の盛り上がりだったと思えるし、人と人とつながりを十分描いているので、決して悪いというわけではない。
また、黒澤明監督の優しさや思いやりの度量の大きさを感じることが出来るという意味においては、なかなか良い作品。だけどやっぱりほのぼのしすぎかなあ。




















マリアの胃袋 90・104分

(監)平山秀幸監督、(出)柄本明、范文雀、相良晴子、大竹まこと

南の島に観光にやって来た4人組の女の子が、死んでしまったはずの昔の会社の上司と出会い、次々といなくなってしまう。

少々グロテスクなところのあるコミカルホラーとでもいうのか、馬鹿馬鹿しい内容だが、一応話の流れはあるので、文句を言うほどではないか。柄本明が普通に生活していて何でそうなるのかわからないが、あんまりツッこむ気も起きないなあ。
















水の女 02・115分
(監・脚)杉森秀則、(出)浅野忠信、UA

不幸な事故のあと一人残された女性が、家業である銭湯を続けるかどうか迷っていたところに一人の男が現れて、銭湯の手伝いをすることになった。

映像面は美しい映像をがんばって撮っていて良い。ただ最初のうちは何の話か分からず、妙な女を母さんと呼んでいたので、こいつは幽霊か?、「銭湯を再開せよ、さらば失われた人が現れるであろう」、フィールド・オブ・ドリームズ、みたいな話かと思ったが、違った。半ば頃からようよう分かり始めたのだが、分かり始めると物語が弱く思える。また話の中心が水と火の出会いであるならば、最初に荒ぶる火を描いておかないと。これでは最初から最後まで鎮火されっぱなしの話になってしまう。










みんな〜やってるか! 94・110分
(監・脚・出)ビートたけし、(出)ダンカン


女とやるためにいろいろやってみる男を描いたギャグ映画。

テレビのコント程度の内容。しょっぱなから白けまくりだったが、何とか見た。終盤たけしが出てくるが、出てくるとそれなりに面白かった。ただ映画といえるのかどうか。













息子91・121分
(監・脚)山田洋次、(出)三國連太郎、永瀬正敏、和久井映見

岩手の山あいの村に住む男は妻を亡くして早1年、息子二人は東京で生活し、この先の生活に不安が無いわけでもなかった。そんな折、東京に出かけることになり、息子二人の生活を見て回るのであった。

先日この映画の舞台の一つである荒川の、荒川遊園から尾久橋通りを通って西日暮里まで歩いた。映画のように小規模な工場が多く、逆に店は少なく、歩いていて全然面白くなかった。尾久橋通りなんて交通量が多く、田中邦衛の文句じゃないが、とても人が歩くところではなかった。こんな車ばかりの東京と、人がいなくなっていく地方、この地方出身者には身にしみる問題をしっかりとしたドラマにしていて、地方出身者の私にとって人ごととは思えないところもあった。














無能の人  91・107分
(監・出)竹中直人、(原作)つげ義春、(出)風吹じゅん

いろんな商売をしてことごとく失敗している売れない漫画家の男が、今度は河原で拾った石を売ることにした。

タイトルから知恵遅れの男の話かと思っていたが、そうでなく、少々抜けてる程度の男の話。脱力系のほのぼのした話は、地味だが生活感にあふれているし、奥さんの毒舌もおもしろい。また笑いのツボを押さえている竹中直人のセンスもいい。ただ、こういった話にオチを求めるのは良くないのかもしれないが、最後にもう一つくらい話が欲しかった気もする。
エンドロールでいろんな人が友情出演していて、一体どこに出ていたのかほとんど分からなかった。ちょい役でも注視してね。
















 90・121分
(監)黒澤明、(出)寺尾聰、原田美枝子、倍賞美津子、笠智衆

黒澤監督のみた夢を映像化、「日照り雨」、「桃畑」、「雪あらし」、「トンネル」、「鴉」、「赤富士」、「鬼哭」、「水車のある村」の8つの話から構成される。

こんな夢を見た、と区切りながら小話程度の話が続く。映像面はさすが巨匠といったところだが、兵隊の話や鬼の話など地味な映像になると、どうしても地味な小話になって、面白味を感じなかった。
日本では資金調達できなくて、スピルバーグやルーカスの働きかけで、外国資本で撮ったのであるが、確かにそんなに客が入りそうではない。しかし国の宝ではないか、よそ様に助けてもらってようやくということが腹立たしい反面、映画人に国境無し、という美談でもあるのか。
















夢二 91・128分
(監)鈴木清順、(出)沢田研二、毬谷友子、宮崎萬純、広田玲央名、原田芳雄、大楠道代

竹久夢二は駆け落ち相手と会うため金沢にやって来た。そこで以前決闘した男と会う。

映像がすごい。しかし内容や意図がよく分からないところだらけで、こちらがくみ取れないのか、それともつくっている方の悪ふざけなのか、おそらく悪ふざけの方が多いように思えるが、映像が素晴らしいので退屈せずに観られた。面白いかというと、面白くはないが。ここまで映像が美しいのなら、ここまで不親切な内容にする必要がないのに。
ちなみに"竹久夢二の生涯"みたいな映画ではありません。実際の竹久夢二とはほぼ関係なし。












六月の蛇 02・77分
(監・脚・出)塚本晋也、(出)黒沢あすか

ストーカーに脅迫されミニスカートで街を徘徊するよう命ぜられた女が、次第に自分の欲望をにめざめ始める。

この映画を借りる前に「花と蛇」を間違えて借りて、あまりのひどさに途中で断念したが、この映画もアダルトビデオ並のストーリー展開にかなり失望。後半ようよう塚本晋也らしい映像とエロティックな部分が見られたが、それでもやはりストーリーに足を引っ張られて面白く感じなかった。また旦那がハゲオヤジなのは、全く失敗だった。