Wの悲劇 84・108分
(監)澤井信一郎、(出)薬師丸ひろ子、世良正則、三田佳子、三田村邦彦、高木美保

劇団の花形女優のスキャンダルを新人が肩代わりし、マスコミの前に曝されることに。しかし彼女はその見返りとして次回作で重要な役を手に入れるのであった。

劇団の様子がいかにも古めかしいが、劇団全盛当時の様子が伝わってくる。今はどこにいるのでしょうか、劇団員。
あらすじだけだといかにもドラマ臭い展開になりそうだが、そのちょっと照れくさいはずの話が、あら不思議、薬師丸ひろ子の初々しさや、世良正則の昔男が憧れたワイルドさなどで、とてもしっかりたものに。ラストの現実と劇の二重構造も見事です。
ついでに高木美保の恥ずかしい姿も見られるし、音楽が久石譲ってのも良かった。













愛のコリーダ 76・104分
(監)大島渚、(出)藤竜也、松田暎子

昭和の初めに起こった、阿部定事件をもとに、男女の姿を描く。

始めから終わりまでエロエロしっぱなし。途中でぱっくんしてるし。無修正版とビデオのラベルには書いてあったが、修正有り。ただアダルトビデオより小さな修正で、いちもつは確実に修正されていたが、そのほかどういう基準で修正しているのか分からないようなところもあり。
内容については、男女の情愛性欲を描いたものとしては他に類を見ない出来栄えだが、何とも評価しづらい。










ある映画監督の生涯 溝口健二の記録 75・150分
(監・出)新藤兼人、(出)田中絹代、入江たか子、京マチ子、小沢栄太郎、浦辺粂子、宮川一夫、若尾文子

溝口健二監督に関わった人たちから話を聞いたドキュメンタリー。

世界的にも評価の高い溝口監督の実像を、インタビューを通して描いていて、とても興味深く、また面白い。新藤兼人自身も溝口監督と一緒に仕事をし、師事していたという点もあり、よくぞこういう記録を残してくれたものと思うと同時に、こういったドキュメンタリーがもっとつくられてもいいのにと、日本のドキュメンタリー市場の狭さを嘆かざるをえない。
ちなみに私が見たことのある作品は「雨月物語」と「山椒大夫」のみ。他の作品も見てみたいのだが、ビデオ屋にないというのは腹立たしいかぎりで、このドキュメンタリーも溝口監督作品を見てから見るにこしたことはないのだが、そうもいかないだろう。
好きな人向けの内容で皆さんにお勧めするというものではありませんが、映画好きの私は面白かったので、満点。つくり自体は肩越しにインタビューをしているなど良いとは言えないが。
DVDの副音声で新藤兼人と映画評論家佐藤忠男がおしゃべりをしていて、こちらも情報満載。













男はつらいよ 69・91分
(監・脚)山田洋次、(出)渥美清、倍賞千恵子、光本幸子、笠智衆、志村喬

寅さん1作目。

36歳で初寅さん。ちょっと恥ずかしい。これからおいおい続きを見ていきます。この映画の感想は別にいらないでしょ。見てない人は是非見てね。













哥(うた) 72・119分
(監)実相寺昭雄、(出)篠田三郎

先祖代々仕えてきた旧家を守るのが仕事であると固く信じている若い男がいた。彼は頑なに自分の仕事に忠実であろうとするが、その旧家の主である兄弟は山や土地を売り払おうとしていた。

主人公の男の意図がさっぱり分からない。また画面が暗く何をやっているのかよく分からないというか、懐中電灯を持ってうろうろする場面など見せてどうするつもりなのだろう。さらには無理をいう主人の姿などにも全く興味が沸かなかった。















ええじゃないか81・151分
(監)今村昌平、(出)泉谷しげる、桃井かおり、露口茂、緒形拳、草刈正雄、倍賞美津子

外国船が現れて世の中が騒がしくなった江戸時代後期、漂流民としてアメリカで6年暮らしていた男が日本に帰ってきた。そして帰ってみると妻は見せ物小屋で働いていた。そこの親分はいろんな商売に手を出し、薩長の求めに応じて世の混乱を謀っていた。

相当お金がかかっているようだが、話の内容がどうなんでしょうか、ごちゃごちゃしてつかみ所がない印象。アメリカに6年住んでいたということがほとんど生かされていないし、桃井かおり演じる女も何の面白味のない馬鹿な女に見えるし、緒方拳演じる侍の話はとってつけたようだし、ラストも映像の迫力はあるものの、話の筋としたら強引な感じがした。ちょっとがっかりでした。



















遠雷 81・135分
(監)根岸吉太郎、(出)長島敏行、ジョニー大倉、石田えり、(原作)立松和平

宇都宮でハウストマトを栽培している男に、見合いの話がやってきた。そんな中で男はバーのおかみといい仲になってしまう。そして見合いをしてみると、結構かわいい女の子であった。

内容自体特別良いところがあるというわけでもないが、生活感あふれる登場人物と、若者の勢いが素直に描かれているところが良い。また当時の様子に懐かしさも感じる。と言っても81年か。古いわけではないけど、古く感じる。私は1969年生まれだが、以前5歳年下の男が「サンタモニカの風」を知らなかったのにはちょっと驚いた。若い人が見ると、最後何の曲だろうと不審に思うかもしれない。石田えりちゃんのおっぱいも見られる。











戒厳令 73・110分
(監)吉田喜重、(出)三國連太郎

「国体論」を出版し、日本の革命思想家として一部軍人から支持を得ていた北一輝の、五・一五事件前から二・二六事件の首謀者として疑われ死刑にされるまでを描く。

北一輝の当時の生活を忠実に描いているという印象を受けるが、彼の考えがほとんど伝わってこないし、反乱を起こす軍人の動向をもう少し丁寧に描いてくれないと、知らない人にとっては何の話かさっぱり分からないだろう。そもそも北一輝に興味を持つ人がどれくらいいるのか疑問だが。












影武者 80・179分
(監)黒澤明、(出)仲代達矢、山崎努、萩原健一、根津甚八、大滝秀二

武田信玄が死んだ。遺言に従いその死を隠し通すため、そっくりな男を影武者として信玄役に当たらせることになった。

内容が武田家の滅亡という史実に縛られて、特色のないものに。影武者がばれるばれないなんてところも、盛り上がりに欠けた。もうすこし飛躍して破天荒な影武者にしても良かったのに。
ついでに火縄銃のあまりの命中率の良さや、音楽にも違和感があった。















陽炎座 81・139分
(監)鈴木清順、(原作)泉鏡花、(出)松田優作、大楠道代、加賀まりこ、楠田絵里子、大友柳太朗、東恵美子

男が夫のある美しい女と出会って、妙な話を聞かされる。そしてその女が心中するらしいという話を聞く。

「ツィゴイネルワイゼン」の次の作品で、系統は似ている。
一筋縄ではいかないストーリー展開というか自由奔放というか妙というか、とにかく普通の話のように分かりやすくない。ただ大楠道代が出てくるとピシッと芯の通った話になり、そこがしっかりしているので脇道にそれても大丈夫に思えた。
ただそれよりもやっぱり映像のすばらしさがこの映画の魅力で、ここまで情緒があり斬新な印象を与える映画はなかなかない。
鈴木清順の映画をまだ数本しか見てないが、これがベストなのかなあ。
大楠道代(安田道代)の作品を調べてみたら、ちょっとエッチなのもあって昔はどれほど綺麗だったのか興味が出てきた。















家族 70・107分
(監・原作・脚)山田洋次、(出)倍賞千恵子、井川比佐志、笠知衆

北海道で酪農をすることにした長崎の一家が、電車で長距離の旅をすることになった。一度言ったらきかない九州男児の旦那と、ふたりの子供を抱えた母と、じいさんの旅は苦労の連続であった。

ちょうど大阪万博の年で、私は1歳。見ていて当時の日本がこんな風だったのかと、映画というよりドキュメンタリーに近い感じで見ることが出来たし、話の内容も、よくぞこの時代にここまでしっかりしたものを作ってくれたと感謝したくなる出来。















家族ゲーム 83・106分
(監)森田芳光、(出)松田優作、伊丹十三、由紀さおり

成績が悪い中学3年生の息子に、少々変わった家庭教師がやって来た。

食卓に横に並んで座ったり、最後の場面など確かに型破りな所があるのだが、それ以上に松田優作の力が大きいように思う。普通の家庭に松田優作がやって来る、そのことが最大の型破りで、内容自体はそんなにびっくりするほどではない。
それにしても子供心に松田優作を見て、大人への憧れというか、ああいう風に大きくなっていくのかという漠然としたイメージを持ったものだが、今の子供が大人にもつイメージは一体どういうものなのだろうか、そしてそれは誰なのだろうか。

















伽椰子のために 84・117分
(監・脚)小栗康平、(原作)李恢成、(出)呉昇一、林相俊、南果歩、浜村純

在日朝鮮人の男と、在日朝鮮人夫と日本人妻の家庭で養われる事になった少女の物語。

これは一見しただけでは疑問点が多々残る内容。女の子の立場の複雑さや、在日朝鮮人の歴史の知識がないと分からないことが多いのもあるし、 はっきりとした話の流れが伝わってこないのもあるし、微妙な描き方で読み取ってもらうという場面があるのも原因だろう(最後も不親切というか、心情を理解しがたいことになっているような)。 だから全部理解するには少々敷居が高いかもしれないが、在日朝鮮人を描いた映画としてしっかりとした出来。 「パッチギ!」の方をそりゃお薦めしますけど、井筒監督もこの映画を見ているでしょうから、興味のある人は見てね。



















飢餓海峡 65・183分・白黒
(監)内田吐夢、(原作)水上勉、(出)三國連太郎、左幸子、伴淳三郎、高倉健

青函連絡船が台風の高波に煽られ転覆する大惨事が起きた。そしてそのどさくさに紛れて3人の男が海峡を渡ろうとしていた。

戦後の人間模様を描いた映画の傑作で、貫禄あるつくりと内容は申し分ない。特に左幸子は難しい役を見事に演じていて、感心すると同時に富山県から何でそんな芸達者が出てきたのか不思議に思えた。あと函館は今はおしゃれな感じがするが、青森の下北半島となるとこの映画のイメージそのままの暗い印象を持っているのは私だけだろうか。それが映画を見る上で丁度良かったけど。











キネマの天地 86・135分
(監・脚)山田洋次、(出)中井貴一、有森也実、渥美清、倍賞千恵子

松竹が大船撮影所開設50周年を記念して制作した作品。映画館で働いていた女性が映画監督の目にとまり、女優になった。しかし脇役のわずかな台詞にも苦労するのであった。

企画としては内輪の話だが、内容はまずまず。演技の話や、さりげない裏方の仕事の描かれ方もいい。またちょい役で多くの人が出演していて、記念作品という意図はしっかりと伝わってくる。ただ記念作品だけに、意外性のない話の展開になっているのは仕方ないか。

















黒い雨 89・123分・白黒
(監)今村昌平、(原作)井伏鱒二、(出)田中好子、北村和夫、市原悦子、沢たまき、三木のり平

年頃の娘が結婚相手を探していたが、彼女が被爆者であることが大きな足かせになっていた。

井伏鱒二の名作。本の方は名作といっても重い内容が見えているので、なかなか手に取る勇気がなく、映画が初めてということになる。見るとやっぱり気が重くなった。夜中寝る前に見るんじゃなかった。8月6日か15日に気合いを入れて見るのが良いかも。

















けんかえれじい 66・86分・白黒
(監)鈴木清順、(出)高橋英樹

何事にも反抗しようというきかん坊の男が、岡山で喧嘩の師匠につき硬派の集団に入って、敵対する学校と対決することに。

青春お馬鹿喧嘩映画とでもいったらいいのか、内容は喧嘩しているだけでまとまりがないし、続き物らしく途中で終わったという感じが否めないが、映像面での無茶さお馬鹿加減は素晴らしい(リズムを考えて映像面で冒険していけば妙なものが出来るはずだが、最近はそういった冒険心に富んだ映画が出てこないね)。高橋英樹はいまお笑い番組に出演していて時代劇の印象とは違うが、もともとこの映画のように明るい性格だったのかと思えるところも良かった。














サード 78・102分
(監)東陽一、(脚)寺山修司、(出)永島敏行、森下愛子

殺人を犯して少年院に入ることになった男の、少年院での生活と殺人を犯すにいたるいきさつを描く。

主人公の男は、普通の会話はあまりせず、文句を少々冷静に言う。その様子が青年期の何とも言えぬもやもやした気持ちと反抗心を描いている点はとても良い。また少年院の様子がしっかり描かれているし、1978年(昭和53年)当時の少々すさんだ様子が伝わってくるところも良い(まだ私は子供ですので、どんな風かは知りませんが)。また脚本担当の寺山修二も、彼ならではのスパイスを加えている。
当時はこういうシリアスな映画が多数作られていたのに、いまではこういう映画ほとんど作られなくなったね。















さくら隊散る 88・110分
(監・脚)新藤兼人、(出)八神康子、滝沢修

戦時中、演劇を公演しながら地方をまわっていた、さくら隊の一団が広島に滞在中に原爆の被害に遭ってしまう。

演劇界の人へのインタビューと一部再現を含めたドキュメンタリーで、原爆の被害を受けた人の姿を描いている。原爆資料館のような直球ドキュメンタリー(そんなにきつくはないが)。途中で子役が出てくるが、さて誰でしょう。
















さびしんぼう 85・112分
(監)大林宣彦、(出)富田靖子

尾道の高校2年生の男の子は、別の学校に通う女子高生に夢中。ただ出会うきっかけがないまま、日々を送っていた。そんなとき、顔が白塗りの妙な女の子が部屋に現れる。

高校生の朗らか青春ドラマといったところで、コメディと純な恋の物語なのだが、そこによく分からないがしんみりさせる役の顔が白塗りの女の子が現れる。確かに風変わりな映画になっているものの、ファンタジックというほどでもなく、うまく働いているのかどうか微妙。また、コメディの部分はドタバタ主体で、少々やりすぎで白けるところもあったし、主役の男の子をはじめ、登場人物の描かれ方がいまひとつ深みがないというか面白味がないというか、物足りなかった。




















さらば箱舟 82・127分
(監)寺山修司、(出)山崎努、小川真由美、原田芳雄

いとこ同士で結婚したため、村人から村八分にされてしまった夫婦がいた。

奇抜な内容でいろんなアイデアを詰め込んでいるのは良いが、一体何の話なのかよく分からなかったし、架空の村での話ゆえ、「田園に死す」のように地に足がついている感じがしなかった。映像は良いし奇抜な場面も多々あり、面白いとは言えないが、★の評価よりは見る価値あり。
ガルシア・マルケスの「百年の孤独」をベースにしているらしいが、こんな訳の分からない話なのか?














幸福の黄色いハンカチ 77・108分
(監)山田洋次、(原作)ピート・ハミル、(出)高倉健、武田鉄矢、桃井かおり、倍賞千恵子

若い男が新車を買って北海道までドライブに出かけた。そして網走で女の子をナンパして一緒になり、さらに中年のおじさんも乗っけて北海道を旅することに。

一途な想いは、いろいろなドラマで使われる大切な要素。この映画の場合は、高倉健の実直で不器用な性格によって一途な想いがうまく表されているのだが、他の方法でどう表すか考えに考えて行けば、それだけでドラマが出来てしまいそう。ただ最近は幽霊を使ったり、共感できない個人のわがままのような薄っぺらい一途な想いばかりが増えているように思える。点に関しては、音楽や映像面でもう少し良かったらなあと思えたところがあったので星三つ半。










事件 78・134分
(監)野村芳太郎、(原作)大岡昇平、(脚)新藤兼人、(出)松坂慶子、永島敏行、大竹しのぶ、渡瀬恒之、丹波哲郎、佐分利信

若い男が女を刺し殺した罪に問われ、その裁判が始まった。

裁判の場面とその背景となった人間ドラマを織り交ぜながら話は進む。 つくり自体は地味だがドキュメンタリーのような説得力があるし、俳優陣も素晴らしい。 特に渡瀬恒彦のさりげなくやっていることは、ニヤッとするほどよい。 また松坂慶子は綺麗だし、大竹しのぶのおっぱいもちょろっと見られるし(本当に見たいのか?)、 最後の場面のお姉ちゃんもムチムチで、最近の純愛路線まっしぐらで、こいつら本当に性欲があるのかと思えるドラマに不満を感じる私からすれば、 この映画の方がよほど実感が伝わってくる。













衝動殺人 息子よ 79・131分
(監・脚)木下恵介、(原作)佐藤秀郎、(出)若山富三郎、高峰秀子、近藤正臣、田中健、大竹しのぶ

無差別殺人により息子を殺された父親が、他の殺人事件で殺された人たちを回って同志を募り、遺族に国からの補償を与える法律の立法化に向けて活動を始めた。

ノンフィクション小説の映画化で、どうしようもない悲しみと怒りと遺族の苦労がしっかり描かれていて、高校の授業で扱って欲しいくらいだ。ちなみに1981年昭和56年1月から犯罪被害者補償制度が始まっている。さて、父親が被害者家族のところをいちいち回っていたのと比べると、現在はインターネットで情報のやりとりがすぐ出来ることはすごい利点だ。それがまだ社会を動かすほどの力にはなっていないが。













書を捨てよ町に出よう 71・138分
(監・脚・原作)寺山修司

青森から出てきた青年が、東京で生活をしながら自分の思いをぶちまける。

出だしは型破りだが、線路の上を延々揺れながら映している場面で、見る人の立場を考えていない映画なのではないかという感じがし、その後もほとんど内容らしい内容はなし。寺山修司でなかったら途中で断念していたろう。
















仁義の墓場 75・94分
(監)深作欣二、(出)渡哲也、梅宮辰夫、山城新吾

戦後の新宿で縄張り争いをしていたやくざの中に、石川力夫という男がいた。彼のわがままで破天荒なやり口が、様々な問題を引き起こす。

つくりは当然のことながらしっかりしているし、実在の強烈な個性の持ち主を映画にするというのも悪くないが、石川力夫は無茶をしているだけで人物の面白味はあまり感じなかった。また、あんなことやった後保釈されてしまうというのは本当か疑問に感じたし、復讐もえらく生ぬるく思えた。














砂の器 74・143分
(監)野村芳太郎、(原作)松本清張、(出)丹波哲郎、加藤剛、森田健作、島田陽子

蒲田駅で身元不明の殺人死体が発見された。捜査は難航し、唯一の手がかり”カメダ”という言葉を元に、関連を探すが・・・

松本清張原作で、一つの事件を追っていくうちに人間模様が見えてくるといった内容はとても良かった。
ただ迫力ある展開とかドキドキするといった内容ではないし、後半たたみかけるような展開を期待したためか、少々物足りない感じもしたので、傑作と太鼓判を押すほど面白いわけでもなかった。
ただこの手のものの中では上位に入る出来なので、満点。















女衒 ZEGEN 87・124分
(監)今村昌平、(出)緒方拳、倍賞美津子

明治時代ひと旗揚げようと長崎を飛び出し、東南アジアで女衒(娼館)を始めた男がいた。彼はそれが日本国発展のためになると信じ、どんどん勢力を広げていくが・・・

実在した男の話で、この風変わりな男の姿を、真面目さとコメディっぽさのバランスをうまくとって描いている。またそれを演じた緒方拳も素晴らしい。と、文句のない出来ではあるが、この男がすごすぎて実感が沸かないのか、心に訴えてくるほどのものはなかった。














竹山ひとり旅 77・125分
(監・脚)新藤兼人、(出)乙羽信子、

幼いときに視力が弱り、津軽三味線を弾いて流しつつ生活をしていた三味線名人高橋竹山の話。

北の国の自然と生活の様子が、当時を彷彿とさせるかの如くしっかりと描かれている。また今ではほとんど見ることのない、いろいろな芸人やらまじない師やらの綱渡りの生活も興味深い。特に鈴を鳴らしてお札を売るのは笑えたし、最後の場面の乙羽信子の表情もすごかった。海鳥がざわめくのも無理はない。













太陽を盗んだ男 79・147分
(監・脚)長谷川和彦、(脚)レナード・シュレイダー、(出)沢田研二、菅原文太、池上季実子

中学教師が原子力発電所からプルトニウムを盗み出し、原爆を作った。そして国家に対しておかしな要求をし始める。

無茶をやっている映画で、そもそも原爆を作るなんていう話をよく映画にしたものだ。そんな無茶な映画なので、ある程度のところまでは大目に見ることが出来るが、大目に見られない場面も多々あり。特に池上季実子の荷担は納得いかないし、終わり頃の何でも出来てしまう場面なんかは話の本筋とは何の関係もないように思えた。
















ダウンタウンヒーローズ 88・120分
(監)山田洋次、(原作)早坂暁、(出)薬師丸ひろ子、中村橋之助、柳葉敏郎、石田えり

戦後すぐ松山の旧制高校に通う生徒の青春を描く。

つくりはしっかりしていて、当時の学生の生活が伝わってくる。また現在中堅の役者の若い頃が見られて、それも面白い。内容は、前半は学生の、はつらつとした(性欲がらみの)元気さが良かったが、後半は少々ありきたりな展開に。中村橋之助演じる男にいまひとつ面白味がなかったのは残念。



















 88・75分
(監)木下恵介、(出)板東英二、太地喜和子、菅井きん、野々村真、斎藤ゆう子

町の選挙に立候補したものの落選、鹿児島を出て一旗揚げると頑張る父はとにかく元気いっぱいであった。

木下恵介監督最後の作品。75分の短い作品で、鹿児島を舞台にしているのでちょっと期待して見たが、主人公がいきなり鹿児島を飛び出して熊本へ行ってしまったり、海外やら東京に行ってしまって、鹿児島はあまり描かれていなかった。また、短い映画の割に主人公の父があまりにも突拍子もなく、あんまり興味が沸かなかった。
板東英二が不安だったが、頑張って鹿児島弁を話していた。一方野々村真は演技力なしだった。















父よ母よ! 80・132分
(監)木下恵介、(出)加藤剛、若山富三郎、石田純

新聞記者の男が、不良になった少年少女の家庭の姿を追う。

不良になったり家庭内暴力を起こしたりする少年少女を一人づつ追っていくという形式なので、映画としてあまりまとまってないし、なぜか途中で漫画が入ったりするのも疑問。
内容は社会派ドラマで実際の例をもとに作られているので、その点は評価できるし、一つ一つの話はそれなりに興味深い。
石田純一が出ているのだが、キャストには石田純とあり、ヤフームービーでも別人扱い。どういう事だろう。


















ツィゴイネルワイゼン 80・145分
(監)鈴木清順、(出)原田芳雄、藤田敏八、大谷直子、大楠道代、麿赤兒

士官学校の先生をしている男が、友人である自由無頼の男を訪ねるうち、妙な体験をするようになる。

内田百けんの「サラサーテの盤」をもとに、鈴木清順が不思議な世界を映像化。話の筋が難解で登場人物も変態がかっているから、普通の映画を見る感じだと少々戸惑うし、話の辻褄が合っているのかどうかもよく分からないが、とにかく自由で大胆かつ繊細な映像は素晴らしい。
 ただ、最後の場面を見る限り、もう少し分かりやすくしてくれたら、2度目見たら納得出来る程度の内容があれば傑作になっていたのに。ちょっともったいない気がする。これは人によりけりかもしれないが。













津軽じょんがら節 73・103分
(監)斎藤耕一、(出)江波杏子、西村晃

東京のバーで働いていた女が、見るからに堅気でない男と共に、故郷である津軽の漁村に帰ってきた。

本州最果ての地青森での甘くない人間ドラマで、もの悲しい雰囲気に包まれている。
制作年度が73年で、いたこになろうというのはびっくりするが、ぼろい家はいくらでもあって、思い返せば今とは比べものにならないくらい何でもぼろかった。また、水商売の女というにふさわしい女の描かれ方は、場末の雰囲気が出て好きなんだけど、今ではなかなか描くのは難しいねえ。みんなキャバクラ嬢になっちゃって。
この後になるが、「竹山ひとり旅」が作られて、そっちの方が好きなのでこちらは星三つ半。















田園に死す 74・102分
(監・脚・原作)寺山修司、(出)八千草薫

青森県の恐山のふもとで母と二人で暮らす少年が、母との息のつまるような生活に嫌気がさし、年上の女性と駆け落ちしようとするが・・・

舞台の色つき照明のような色調を大胆に取り入れた映像と、見せ物小屋風のサーカス団や奇抜なセットと、寺山が生まれ育った青森が渾然一体となっている。それに寺山の言葉の力強さが加わり、さすがに圧倒された。見たことのない色とりどりで大きな花火があがったときのような驚きのある映画だ。何で顔が白塗りなのか分からなかったけど。















どですかでん 70・126分
(監・脚)黒澤明、(原作)山本周五郎

廃棄物がたまった貧民の町に住む知能遅れの少年は、自分が路面電車の運転士になったつもりで、町を一周するのが常であった。そんな彼の住む貧しい暮らしの人たちを描く。

「どん底」と系統が同じ気がする、全く興味の沸かない映画。せめて電車少年の話を中心にもってきてくれれば少しは見られたろうが、品のない人たちを描くだけでは面白くも何ともない。題の「どですかでん」とは、少年が電車の動く音を言ったもの。













泥の河 81・105分・白黒
(監)小栗康平、(原作)宮本輝、(出)田村高廣、藤田弓子、加賀まりこ、芦屋雁之助

昭和31年、大阪の河に面した食堂の向こう岸に、一艘の船がやってきて停泊した。そしてその船に住む子と食堂の子が仲良しになった。

原作の良さに映像のうまさを加えた見事な一本で、心がせつなくなり、最後は感情が昂ぶって、手に力が入りつつ見てました。初監督作品でこの出来とは小栗康平恐るべし。













夏時間の大人たち HAPPY−GO−LUCKY 97・73分
(監)中島哲也、(出)岸辺一徳

父が働かずひきこもり、息子は逆上がりができずに居残り。そんな息子が近所の工場の絵を描いた。

73分と短い映画で、小学生の割と普通の出来事を中心に描かれている。ひとつひとつの出来事はまずまずだが、子供の頃ってあんな考え方するのかなあという、何か大人の視線で物事を考えたかのような場面もあった。
















日本海大海戦 69・128分
(監)丸山誠二、(出)三船敏郎、加山雄三、仲代達矢

日露戦争が始まり、ロシアのバルチック艦隊が日本にやってくるとの情報が入った。それを東郷平八郎率いる連合艦隊が迎え撃つ。

日本海海戦を中心にした日露戦争史という本を読んでいるかのような、割と史実に忠実に描こうという姿勢の映画で、ドラマの部分はそれほど強調されていない。つくりはしっかりしていて、結構お金がかかった大作という印象。特に戦闘シーンはがんばっています。

先日バルチック艦隊の乗組員の日記についての番組が放送されていて、その乗組員が上官同士のいがみ合いが激しく、戦争するような状態でない、もしかしたら死ぬかもしれない、という内容にとても驚いた。てっきり日本海軍何するものぞひねりつぶしてやると、なめてかかっていたから負けたとばかり思っていたから。敵ながら哀れに思えた。


















人間の証明 77・133分
(監)佐藤純彌、(出)松田優作、岡田茉莉子、三船敏郎

ファッションショーが開かれているホテルで、黒人の男がナイフで刺殺されるという事件が起こった。それを調べていた警官は、過去のつらい記憶が蘇ってくるのであった。

最初ファッションショーがだらだら映され不安な出だしだが、松田優作が出てきてから話が進み出し、サスペンスっぽい感じが十分出てきたが、うーんいくら何でもそのつながりは出来過ぎです。ただある意味、あり得ない可能性の限界に挑戦しているともいえなくもない。テレビのサスペンスドラマの豪華版としてみれば十分な出来か。ちょい役でいろんな人が結構出ているし。














人間の約束 86・124分
(監・脚)吉田喜重、(出)三國連太郎、村瀬幸子、河原崎長一郎

ばあさんが死んだ。死因に不審な点があったので警察が調べてみると、じいさんがばあさんを殺したと自供した。しかし、じいもばあもかなりぼけていたのであった。

ぼけ老人の話で、こんな話をよく映画にしたなあとその点は感心するが、ぼけ老人の話を見たいかというと見たくない。また、少々都合良くぼけている感じがする点や、警察沙汰にして真実を明らかにしていくというのも必ずしもうまくいっているとは思えなかった。浮気関連のところは話の本筋とは関係ないけど、結構緊迫感があり面白かった。














裸の十九才 70・120分
(監)新藤兼人、(出)原田大二郎、乙羽信子、鳥居恵子、大地喜和子、佐藤慶

青森から東京に集団就職でやって来たが、仕事が長続きせず、ついには事件を起こしてしまう若者を描く。

明るい話ではないが、当時の様子が伝わってくる点や、こういった悪いことをしでかす人間をうまく描いている点、校歌まで歌ってしまうなんてのもうまい。また乙羽信子の3変化もすばらしい。
これでしっかりとした方言とピストルの弾数があえば、さらに良かったろう。でも満点。















同胞(はらから) 75・127分
(監)山田洋次、(出)倍賞千恵子、寺尾聰

岩手の田舎の村の青年団が、文化向上のために劇団を呼んで、公演してもらおうという話が持ち上がった。しかし、呼ぶためにはそれなりのお金がかかり、赤字の可能性も否定できないのであった。

倍賞千恵子が劇団員の役で、内容は「虹をつかむ男」のよう。お決まりの内容でそれ自体は悪いとはいわないが、「虹をつかむ男」の方が映画という私が興味のある話が題材なこと(演劇はほとんどみません)、倍賞千恵子の劇団員に面白味がないことなどもあり、いまひとつ盛り上がらなかった。また、主役の人たちの関係も、もうちょっと何らかのドラマがあっていいように感じた。
ラストの場面も地方で頑張って生活している人の姿を描いているのはいいのだが、照れくささを感じる劇団の歌と共にだからなあ。演劇はやっぱり苦手だ。















遙かなる山の呼び声 80・124分
(監・脚)山田洋次、(出)高倉健、倍賞千恵子、吉岡秀隆

母子家庭で酪農を営む家に流れ者の男がやって来て、仕事を手伝いだした。

北の国を舞台にした、いかにも高倉健さんらしい話。ありがちだけど最後はじーんときました。子役で吉岡君が出ていて、とてもうまかったし、現地の人と自然がうまく映像化され、現実を切り取ったような場面がいくつもあった。















ファンシイダンス 89・101分
(監・脚)周防正行、(出)本木雅弘、鈴木保奈美、竹中直人、田口浩正

アマチュアバンドのボーカルをしていた男が、実家の寺を継ぐべく1年間の修行にはいった。そのあいだ世間から離れ、彼女とも会えないのであった。

周防監督初作品ということで、いろいろ問題点が目につく。まず、主役の本木君が妙によそよそしく、実際の感情というものが全然伝わってこないし、恋人同士が離ればなれになるという絶好の舞台も、鈴木保奈美のどうでもいいような態度でうまく働いていない。また、面白くしようとしていれた小ネタがおふざけ程度のものが多く、題材がお坊さんということで、もう少しまじめに扱ってくれても良かったと思える。
話のもっていき方やラストの場面、お坊さんを題材にし細かく調べてある点など、周防監督の良さが十分あるものの、全体的に見るといまひとつ。もったいない気がする作品。
















復讐するは我にあり 79・140分
(監)今村昌平、(出)緒方拳、三國連太郎、倍賞美津子、小川真由美、(原作)佐々木隆三

連続殺人犯、榎津巌の殺人と逃亡生活、そして父との確執を描く。

鬼畜の如く人を殺す実在の男の話なので楽しいところはないのだが、一連の彼の言動がしっかり描かれていて分かりやすいし、こういった内容ならではの緊迫感はある。また旅館で出会ったおかみの、少々メロドラマっぽいところも良かった。さて、私はビデオで見たのだが、妙に暗くて何をやっているのかさっぱり分からない場面が多々あった。人工の照明は使ってなさそうだが、ビデオだから見えなかったのだろうか。













ブラックボード 86・110分
(監)新藤兼人、(出)吉行和子、乙羽信子

中学生が殺された。その犯人は同じ中学校の生徒で、いじめが原因であった。

いじめっ子の男の子が殺され、それを巡る学校問題を扱った映画で、いじめを映画にしたのは分かるのだが、少々月並みというか、登場人物に焦点を当てるというより、社会問題に焦点をあてようとしたためか、何だか面白くない。また、犯人が出てきてからは全く興味が沸かなかったし、いじめられっ子がバイクに乗っちゃうなど、つっこみどころが結構あった。













股旅 73・96分
(監・脚)市川崑、(出)尾藤イサオ、小倉一郎、萩原健一

江戸時代後期、親分を頼ってあちこち旅をする、渡世人と呼ばれる人を描いた話。

いきなりおかしな挨拶から始まり、当時の親分と客人の姿をきっちり描いていて面白い。ここまで細かく描かれたものを見たことがない。 反面、話の内容はいろいろありすぎで、斬り合いやら人殺しやら、そんなにあったら大変と思えるし、 その斬り合いの場面なども現実味に欠けるし、3人の男に関しても描かれ方は良くない。 事件は一つ二つであとは地味に彼らの人となりと生活を描いてくれた方が良かった。













待ち伏せ 70・117分
(監)稲垣浩、(出)三船俊郎、石原裕次郎、勝新太郎、中村錦之介、浅丘ルリ子

剣の腕のいい浪人が、行き先だけの指令を受け、そこで起こる事に対処するように言われた。

三船敏郎がまたまた用心棒役で出演。エンターテイメント色の強い時代劇だが、話の筋はいろいろ紆余曲折があり、しっかりしていて面白い。 また中村錦之介の権柄づくな態度とおどおどした演技がとても良く、他の主演の役者が割とイメージ通りの役のなか、異彩を放っていた。また石原裕次郎や浅丘ルリ子などは時代劇に合わない顔じゃないかねえ。

ちなみにこの作品は主演らの独立プロダクションが共同して制作したものだが、主演の名前の割に客が入らず、評判もあまり芳しくなく、独立プロダクションの映画制作の限界を示した作品となったそうな。
















祭りの準備 75・117分
(監)黒木和雄、(原作・脚)中島丈博、(出)江藤潤、ハナ肇、馬渕晴子、竹下景子、浜村純

高知県中村市でシナリオライターになろうと夢見ている少年がいた。彼には好きな女の子がいたが、 なかなか素直になれない。そんな時一人の女が東京から帰ってくる。

中島丈博の半自伝的な話。こちらも地方の話で、挨拶するときにタマタマをにぎにぎするような下品な人たちが登場し、みんな生き生きしている。 話の展開も泥臭いコメディで強烈ではあるが、東京から帰ってきた女については強烈だけれども現実味を欠いていたのは、話の本筋に関わることだけに少々いただけない気がした。
ちなみに祭りの準備というタイトルだが、祭りの準備はしてなかった。














曼荼羅 71・135分
(監)実相寺昭雄、(脚)石橋淑朗、(出)清水紘治、田村亮、桜井浩子

パートナーを変えて性交をしていた男女ひと組が、海辺で謎の集団から暴行を受けた。ところがその集団の実態を知って、二人はその集団の生活する山奥で一緒に生活を始めるのであった。

いきなりモーテルでのエロエロシーンから始まり、謎の集団が出てくるのだが、全く現実味を感じることが出来なかった。頭でっかちで哲学的というか観念的な難しい話も悪くはないんだけど、空回りしてます。また学生運動も世代が違うからピンと来ないし。
それにしても海辺であんな男が現れたら、行き先はあそこしかないよなあ・・・。












無常 70・146分
(監)実相寺昭雄、(脚)石堂淑朗、(出)田村亮、司美智子

商人の家に生まれながら、仏を彫る仏師になろうと師匠の元に弟子入りした男は、信心など全くなく、人の道に外れた行いを繰り返すのであった。

しっかりとした映像と、宗教への疑念をもとにした登場人物の描き方が良いので、一歩間違えばロマンポルノっぽい話の内容と性の描写も、十分説得力があった。途中や最後の歌は気に入らないし、疑問の残る音楽などもあったが、これが監督の最初の劇場用長編映画ということで、気合いと勢いが十分感じられたし、京都を舞台にした映像が良かったので、満点。
エッチの時にお面が見えるってのは、納得というか、時に何をやっているんだろうと冷静になる瞬間があるよね。









闇の狩人 79・137分
(監)五社英雄、(出)仲代達矢、原田芳雄、いしだあゆみ、岸恵子

裏の稼業を営む男が仲間の裏切り、さらには役人の締め付けにあいつつも勢力を伸ばしていった。しかし彼は大きな決断をすることに。

有名俳優が多数出演していて目移りするくらいだし、それなりに金がかかっているつくりも悪くないのだが、一体何の話かよくわからない。話の筋がすっきりしていないというのもあるし、登場人物の心情なり行動がどうにも唐突で、なにかとチャンバラばっかりしているだけ。豪華食材をふんだんに使って見た目は派手だが、一体何の味だろう、という料理みたい。
五社英雄監督の作品をまともに見たのは初めてだが、彼の監督作品を見てみると、豪華役者とエロとあとは燃やしてしまえ、みたいな作品が多い気がして、あんまり見る気が起きないなあ。
















雪国 65・113分
(監)大庭秀夫、(原作)川端康成、(出)岩下志麻、加賀まりこ、木村功

川端康成の「雪国」の映画化。雪深い温泉街に逗留した作家の男が、そこで美しい芸者(女中)と出会う。

話の展開はゆるゆるとして、いかにも日本文学を映画化したといった感じ。つくりはしっかりしていて文句ないし、岩下志麻も愛嬌があってかわいい。ただ加賀まりこ演じる女性をもう少し分かりやすく描いてくれたほうが、最後納得出来たろう。原作がそうなんだから仕方ないが。加賀まりこは中村玉緒同様若い頃の声は分からないよねえ。




















 90・121分
(監・脚)黒澤明、(出)寺尾あきら、倍賞美津子

監督が見た夢8つを映像に。タイトルは、日照り雨、桃畑、雪あらし、トンネル、鴉、赤富士、鬼哭、水車のある村。

小話8つ、内容自体はまずまずで、映像が良いものは面白いし、逆に、雪あらし、トンネル、鬼哭などの映像面で地味なものは地味な小話で面白味を感じなかった。点は、こういったいくつか集まったものはそんなに好きではないので、星二つ半。ちなみにこの映画はスピルバーグなどの呼びかけによるアメリカ資本で作られたものであるが、国の宝である黒澤明が金がなくて映画が作れないからよそからお金を持ってくるって、何とも恥ずかしい気がする。













落葉樹 86・105分・白黒
(監・脚)新藤兼人、(出)乙羽信子、財津一郎、小林桂樹

新藤監督自らの過去から、母に対する想いを綴った映画。広い田畑をもった旧家の父が、連帯保証人になったことによって借金を肩代わりする羽目に陥った。そしてなす事を知らずただ泰然自若としていた父は、家を手放すことに。

出だしは何事も起こらず、ただ昔の生活が描かれていて一体何の話か分からず退屈だったが、家が傾き始めてからは誰もがもっている人生の思い出をしっかり描いた映画として面白かった。また結婚式のときの唄(嫁取り唄)に感動し、こういう良いものをもっと知りたいと思うと同時に、習いたいと思った自分もオヤジだなあとつくづく感じる。











 85・162分
(監)黒澤明、(出)仲代達矢、寺尾聰、根津甚八、原田美枝子

戦国時代、年老いた国の主は隠居することにした。そして息子に継がせようとしたが、3人の息子の間で争いが起こってしまう。

シェークスピアのリア王をベースに、戦国時代の人の愛憎浮き沈みを描いていて、派手な衣装と多数の兵士が織りなす戦国絵巻とでもいおうか、とにかく見事な出来。ただあんまり面白いと思えなかったのは、何でだろう。映画館で見てないというのもあるし、内容の割に長いというか、この映画のペースに入っていくだけの興味が沸かなかった。
とりあえず、今は星三つ。でかいテレビを買うことが出来たら、もう一度見てみます。