パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト06・米・151分
(監)ゴア・ヴァビンスキー、(出)ジョニー・デップ、キーラ・ナイトレイ、オーランド・ブルーム

ジョニー・デップ演じる海賊ジャック・スパロウは、巨大なタコを操る海賊団と深い因縁があり、追われることになった。一方キーラ・ナイトレイとオーランド・ブルームの二人も、ジャック・スパロウを助けた罪で追われることに。

でだしからアクションの連続は結構だが、ストーリーがないに等しく、ただ単にドタバタやっているだけ。いろいろアイデアを入れつつのドタバタは悪いわけではないが、ほぼあり得ない形のドタバタは興ざめで、わたしは全く面白くなかった。ついでに3作目へのつなぎということで、すっきりしない終わり方だし、長いし。













博士の愛した数式  05・117分
(監)小泉堯史、(原作)小川洋子、(出)寺尾聰、深津絵里、吉岡秀隆、浅丘ルリ子

交通事故の後遺症で80分しか記憶がもたない元数学教授と、彼のお手伝いをすることになった女性とその子の交流を描く。

出だしからほのぼので、ずっと同じ調子の話の展開。虚脱感を感じつつ見ていたが、面白いところはなかった。そもそも80分という中途半端な時間で記憶がなくなるなんて奇妙すぎるし、それがどう生かされていたのかさっぱり分からなかった。
ちなみに本は読んでません。他の人の評判は悪くないようだけど、私にはほのぼのしすぎでした。














初恋 06・114分
(監)塙幸成、(出)宮崎あおい、小出恵介

高校生の女の子が年上の連中とつるみ、そのなかのひとりの男が好きになった。そして彼の提案で、3億円の強盗事件の主犯としての役割を担うことに。

時効成立で迷宮入りした三億円事件の犯人が若い女の子だったら、という設定のもと当時の若者の姿を描こうとしている。そのためか、犯行のことやお金をとったらどうするの?捕まったらどうしようなど、当たり前な部分が全く描かれていない。その部分がすべて、彼のためにみたいな事になっていて、興ざめしました。また声を聞いたら女とバレバレなような。
事件自体に中心を置かないなら、別に3億円事件にこだわる必要がなかったと思う。
当時の様子は頑張って描いてあるものの、そもそもの話自体無理がありすぎなので、無星。

宮崎あおいちゃんがセーラー服を着て、ボロアパートにいる場面は唯一萌えました。


















花よりもなほ06・127分
(監・脚)是枝裕和、(出)岡田准一、宮沢りえ、香川照之

父の仇討ちを探すため、貧乏なものが多く住む長屋で生活をしている侍がいた。その長屋には吉良屋敷の情報を探ろうとする赤穂浪士や、主人を亡くし子供と二人で生活している美しい女性などが住んでいた。

太平の江戸の世での人情コメディとでも言おうか、ほのぼのした内容。つくりもまずまず。ただあんまり盛り上がらない。緊張感というか情熱みたいなものが感じられない。たとえると、緩やかな川の観光船にのったら、初老の案内が手慣れた口調で情景を解説してくれる、それをふーんと聞いている感じ。激流に乗って、波しぶきを浴びながら、大きな岩にぶつかりそうになって、それをかわして、河口に出るというようなものの方が面白いのに、この映画はそういうハラハラはなかった。
また木村祐一の演じたちょっとおつむの弱い役も、全体的な話がお決まり過ぎて、やらされているという風に感じてしまった。コメディってやっぱり難しい。













パプリカ 
(監)今敏

夢の世界を共有できるという画期的なテクノロジーが開発され、試作品のテストが行われていた。ところが開発者のひとりが行方不明になり、彼の夢が共有された夢のなかで暴走を始めてしまう。

夢の世界という何でもやりたい放題の世界はとにかくにぎやかで、わいわいがやがや、さらに現実の世界も忙しく、最初から最後までハイテンポが続き、飽きることがない。まあこういうアニメに慣れてないと何のことか少々戸惑う内容かもしれないが、話の内容自体はどこかで見たようなものの寄せ集めって印象だし、日本的なものを海外向けに入れているような感じがなきしもあらず。
また普通の我々がもつ夢の不思議さの感覚とはかけ離れていて、その奥に入っていかずに、結局欲望という分かりやすいオチになっているのも、仕方ないとはいえ、エンターテイメント色が強い内容だなあと思えました。
太った天才開発者の声は古屋徹で、どうしてもアムロに聞こえました。

















ヒストリー・オブ・バイオレンス 05・米・95分
(監)デヴィッド・クローネンバーグ、(出)ヴィゴ・モーテンセン、マリア・ベロ、エド・ハリス

コーヒーとパイの店を営む男が大きな事件に巻き込まれた。そしてそのニュースで有名になったことで、生活が一変してしまう。

暴力描写があるものの、デヴィッド・クローネンバーグ監督にしては、まともな内容のドラマ。大きな事件から徐々に家族の関係が変わっていく過程の描き方も良いし、ちょっとなぞめいた部分を引っ張りながらの展開も良い。ただ、家族の関係を中心に最後まで話を展開してくれた方が納得できたと思う。ラストの訪問の場面は、やりすぎに思えた。また、息子の描き方も、少々月並みで物足りなく感じた。
それにしても、いいねえ、あんな格好してくれる奥さん。













フォーギヴネス 06・イスラエル、米・96分
(監)ウディ・アローニ監督

イスラエルの精神病収容施設に、一人の若者が収容されていた。彼はニューヨーク出身で、イスラエルのために働こうとやって来たのだが、そこで少女の幻影を見ることに。

東京国際映画祭開幕。コンペ部門の1本を観てきた。
イスラエルとパレスチナの関係から妙な話が展開されて、さらにニューヨークの場面も少々不親切に入っているから、出だしわかりづらい。まあ、全体を通してみれば言いたいことはわかりやすいのだが、幻影を見るという現実的でない部分については、ちょっとドタバタしすぎな感じで、踊りやエロエロなんてところもあんまり必要ないような気がした。それでも芯となる問題意識がしっかりしているので、こういう映画祭なんかではよろしいんではないでしょうか。

上映終了して監督登場し、質問タイム。
真っ先に手を挙げて、
「絵をダビデの星で塗りつぶしていたのは、なぜ?そしてそれは何の絵?」という質問と、
「ユダヤの人はひとつの土地にこだわらない生活をしてきたが、なぜこの映画では地下に入っていくという、ちょっとユダヤの考えとはあんまり関係のなさそうな場面があるのは、どこからヒントを得たのか?」という質問をしたら、
「絵の方は家族の絵に星を描くことによって、盾として守ろうとした」という答えと、「地下に入っていったのは、トンネルという意味があって地下の深いところでイスラエルとパレスチナの双方が交流することを描きたかった。」ということでした。また、イスラエル本国のユダヤ人と国外に住むユダヤ人の断絶という点についても言及していた。
で、そのあとふたりの質問があったのだが、フロイトの言及が結構あって、地下に入っていったのも無意識の世界ってなところから来ているんだなあと納得。フロイト大好きオヤジっぽい。
また終わってから、あそこはもう少し緊張感をあおった方が良かったのではないかと、ちょっと意見を言ったら、笑っていたから、あんまり映画の技法とか盛り上げるとかそういう部分に関しては興味がないような印象でした。















武士の一分 06・121分
(監)山田洋次、(原作)藤沢周平、(出)木村拓哉、壇れい、笹野高史、小林稔侍、板東三津五郎

殿様の食べ物に毒が入ってないか調べる毒味役をしていた下級武士が、毒にあたって失明してしまう。目が見えない侍など用がないと自害をも考えた夫のため、妻は何とかしようとするが、逆に弱みにつけ込まれてしまう。

話の概略をきくと漫画のようで大丈夫かなと思っていたが、そんな心配は無用だった。
確かに内容に驚くようなところはないのだが、武士の日常生活をきめ細かく描いているつくりは上々で、妻や下男との何でもないやりとりも十分興味を引きつけるだけの味がある。また、武士の一分というタイトルから想像する武士道や剣術モノというより、武士の人情話と言う方が近く、松竹が長年培ってきた家族ドラマっぽいところが、昔の映画が好きな私なんかにも面白かった理由かな。
だから盲目になってからの剣の修行や、ラストの場面も、「たそがれ清兵衛」並の緊迫感を期待していると期待はずれかも。
さて、壇れい、笹野高史らが絶賛されているのに対し、賛否ある木村拓哉の演技ですが、悪いところはなかったです。ということは良かったと言っていいのかもしれませんが、より深い部分、例えば失明したことによる孤独と絶望がひしひしと伝わってくるというほどの良さはなかったし、感情の表現にしてももう一段上を見たかったというと、欲張り過ぎか。また、もし他の役者さんだったらとも考えたが、人情モノということでちょっと明るい彼で良かったと思います。




















プライドと偏見 05・英・127分
(監)ジョー・ライト、(原作)ジェーン・オースティン、(出)キーラ・ナイトレイ、マシュー・マクファディン、ドナルド・サザーランド

5人娘のいる家庭の近所に大金持ちの独身男とその友達がやって来た。そして舞踏会で一番上の姉と金持ちの男が仲良くなるが・・・

映像面のつくりに関しては文句なく、当時の中上流階級の生活をしっかり描いている。また美しい自然を織り交ぜつつ描いている点も良く、名作文学の映画化として十分気合いが入っている。ただ、行き違いの説明を先延ばし先延ばししていた割に、その説明がすっきりとした形で描かれていないし、最後も分かり切った会話なので省いている部分があるのも、描いてくれた方が良かった。なんかもやもやした感じが残ったのは私だけだろうか。

















フラガール  06・120分
(監)李相日、(出)蒼井優、松雪泰子、豊川悦司、岸辺一徳

昭和40年、炭坑業界斜陽のなか、福島の炭坑で雇用確保のため常磐ハワイセンターの建設が始まった。そこでフラダンスを踊る女の子らが募集され、東京から先生がやって来た。

楽しい話だし筋の良い話ではあるのだが、話の展開がコテコテで、後半は少々食傷気味。話の筋以外の会話がほとんどなく、実際困った話なんか取材して分かっているだろうに、そういう部分はほとんどなし。
「Shall We ダンス?」はもっとリアルでこの映画のように気分が下がる部分がなかったのに対し、こちらはエンターテイメント色が強すぎる気がした。
もちろん、フラダンスの場面は良かったし、楽しい場面も多く、満足できる出来でしたが、ちょっと期待しすぎたかな。
「69」のときもそうだが、わけのわからない方言炸裂していたが、今回は字幕無し、福島の人は分かるのかな?
同じ炭坑町の話として、「にあんちゃん」も是非見てね。
















プラダを着た悪魔 06・米・110分
(監)デヴィッド・フランケル、(出)アン・ハサウェイ、メリル・ストリープ、スタンリー・トゥッチ、エイドリアン・グレニアー、エミリー・ブラント

最も権威のあるファッション雑誌の女編集長の助手として働き始めたダサイ女性が、編集長の下で働くうちに仕事の厳しさを覚え、自身のファッションセンスも向上し始める。しかし仕事に打ち込めば打ち込むほどプライベートの生活はすさんでいくのであった。

鬼編集長のいじめに耐える話かと思いきや、編集長の話は割とまっとうで、トップとして仕事するならそのくらいしないと勤まらないというのは分かるので、いじめという感じではない(わがままは盛りだくさんだが)。また、ファッション業界という、ゴージャスなところをお客に見てもらってナンボというところは、映画業界も似たようなものだから、扱いやすい題材で上手く扱っていると思う。
内容も普通の女の子が仕事で一流の人たちに接しつつ自らを磨いていくという点は好感が持てるし、もちろんいろんな可愛い服が見られるのも楽しく、最初から最後まで面白く見られました。
ちなみに私は彼氏の考えに近いです・・・




















***












プルートで朝食を  
(監)ニール・ジョーダン監督、(出)キリアン・マーフィ

北アイルランドで母に捨てられ、里親のもとで成長した男の子が、女の子の格好をしだした。そのため里親と衝突、その家をでて一人で暮らしはじめた。そして本当の母親を探し始める。

女装の男の話。テンポ良くいろんな事が起きて話は進む。 ちょっと「嫌われ松子の一生」っぽい。「嫌われ松子の一生」の方が映像面での出来は良いが、こちらも悪くはないし、話の内容も「嫌われ松子の一生」程度に現実的でないものの、一応山あり谷ありのストーリーがある。ただ、そもそも見ていて愉快でない、きたないおかまの話に興味があるかといわれると、ほとんどなく、あんまり共感できる部分もなかった。


















プルーフ・オブ・マイ・ライフ 05・米・103分
(監)ジョン・マッデン、(出)グウィネス・パルトロウ、ジェイク・ギレンホール、アンソニー・ホプキンス

かつて偉大な数学者だった父が歳をとっておかしくなり、その面倒を娘が見ていた。その娘を好きになった数学を勉強している大学院生が、すごいものを発見する。

話の要素というか構成なんかはいいと思うのだが、数学の大発見なんて部分はどうもうまく働いていない。作っている方も話のネタとしての数学の大発見というに過ぎないから仕方ないが、それを巡っていきなり誰が書いたかなんてところに話の焦点がいったり、まったく数学と関係のない姉まで出しゃばってくるのは少々興ざめ。
どっちかというとヴァージニア・ウルフを参考にして、文学で話を持っていった方が良かった気がする。

















ブロークバック・マウンテン 05・米・134分
(監)アン・リー、(出)ヒース・レジャー、ジェイク・ギレンホール、アン・ハサウェイ、ミシェル・ウィリアムズ

1963年、狼から羊を守る番をするため二人の男がキャンプ生活をし始めた。そして二人は関係を持ってしまう。

出だし会話が少なく自然を映す場面が多いので、少々眠気が襲ってくるような展開。二人の関係を機に盛り上がるのかなあと思ったが、男の同性愛に対してあまり情感が沸かないというのが正直なところで、全体的な話やつくりは良いのだが、面白いとは思えなかった。
男ふたりの絡みの部分に関しては、嫌悪感を感じなかったし、差別や虐待があるわけでもないので見やすいとは思う。
ちなみに夫婦役だったヒース・レジャーとミシェル・ウィリアムズは、この映画の共演から交際し結婚したそうな。
















ブロークン・フラワーズ05・米・105分
(監)ジム・ジャームッシュ、(出)ビル・マーレイ、ジェフリー・ライト、シャロン・ストーン、ジェシカ・ラング

プレイボーイだった男のもとに、ピンクの手紙が配達された。差出人の名前がないその手紙には、20年前別れた女が彼の子供を産んだという、驚きの内容が書かれてあった。

「ストレンジャー・ザン・パラダイス」以降、ジム・ジャームシュ監督の作品はそんなに面白いと思えるものがなかったが、この映画は「ストレンジャー・ザン・パラダイス」風の、日常の中の何気ない出来事がうまく描かれている。また主人公の女好きという点や、少々オタクっぽくてあんまり積極的でないところ、ピンク色に目がいってしまうところなど、映画の客として私はピッタリ合っていて、とても身近に感じることが出来、面白かった。
ただびっくりするような展開があるわけでもなく、淡々と物語がすすむので、みんながみんな面白いと思えるタイプの映画ではないと思う。また女の子もどうなんでしょうか、男性のエロエロの部分が面白味になるのかなぁ。

電話のふがふがいうところは、やっぱりスヌーピーからなのかな。


















プロデューサーズ  05・米・134分
(監)スーザン・ストローマン、(脚)メル・ブルックス、(出)ネイサン・レイン、マシュー・ブロデリック、ユマ・サーマン

つまらないミュージカルを公開、即打ち切りの目にあい、落ち込んでいるプロデューサのもとに、会計士がやってきた。会計士はトータルでプラス収支になっていることに気がつく。ならばと史上最低のミュージカルをつくろうとするが・・・

映像面に関してはとりたてて良いというわけではないが、小ネタ満載のコメディミュージカルとして楽しいし、歌う場面もドタバタやりつつ生き生きしていた。品があるとはとても言えないが。なかでも青色の毛布がお気に入り(スヌーピーでおなじみの「ピーナッツ」に出てくる少年のパクリだが、その少年の名前は、ライナス・ヴァン・ペルトという、覚えにくい名前だった)。踊りの場面では身長の低さが気になったが、気の小さい会計士の描かれ方は良かった。内容に関しては、別にヒットしてもいいのでは、とふと思ったりもするが、そんなことが気にならないだけのお気楽さお馬鹿さでフォローしていた。
ちなみに1968年のオリジナルは見てません。
















PROMISE 05・中・124分
(監)チェン・カイコー、(出)真田広之、チャン・ドンゴン、セシリア・チャン

王の居城で謀反が起こった。蛮族を倒した大将軍が謀反軍を鎮圧するために向かうが、途中で運命を告げられる。

妙な話で、神話の誇張をそのまま取り入れたかのような話。聞こえはいいがハチャメチャで、牛より速く走る北の国の人やら、運命の女神やら、いまではお決まりとなった何でもアリの戦いの場面と、やりたいことをやり放題。蚊取り線香みたいな居城やら、鳥かごやら、果てはサーカスでバイクがくるくる回る出し物まであり、そんなアホなってなアイデアがてんこ盛り。まじめに見るととてもじゃないけど見られないが、お馬鹿映画としてみると無茶なCGがツボに入って、結構楽しめました。よくまあこんなB級っぽいアイデアを大々的に作ったねぇ。















ヘルレイザー/ヘルワールド 05・米95分
(監)リック・ボータ

男女あわせて4人が、大きな屋敷で開かれるパーティーに参加した。ところがそこで奇妙なことが起き始める。

出だしはいかにもありがちで見る気がなくなり、その後も低俗ホラー丸出しで嫌になるが(それなの残虐シーンはあります)、半ば頃からようよう話に筋がでてくる。で、一応オチもあるのだが、ヘルレイザーの基本的なことを知らないと、なんのことかよく分からない部分があるかも。というか、初めての人はこんな映画を見ないか。


















ベロニカは死ぬことにした 107分
(監)堀江慶、(脚)筒井ともみ、(原作)パウロ・コエーリョ、(出)真木よう子、風吹ジュン、中嶋朋子、淡路恵子、市村正親、イ・ワン

睡眠薬を飲んで自殺を図った女の子が、目覚めてみると精神病院に入院させられていた。そこで彼女の命が残りわずかと告げられる。

私は原作を知らないが、映画を見た限りでは、根本的な視点が欠けているのはショッキングなくらいで、原作者が見たら日本人に映画化させるんじゃなかったと思っているはず。というのも、院長が死神の要素、イ・ワン君が天使の要素を持っているはずで、院長の方は人間の絶望を上から見下ろしてあざ笑うはずなのに、途中で応援してるし、わずかにイ・ワン君に宿っている天使の要素とも、交わってはいけないはずなのに、あんなことになってるし。この点では完全に失敗作だが、精神病患者を描いた映画として点を付けると星一つ半くらいか。















変態村 04・仏・94分
(監)ファブリス・ドゥ・ヴェルツ、(出)ローラン・リュカ

いろんな所をまわりながら歌手をしている男が道に迷ってしまった。そしてとんでもないところで車が故障、近所の家に泊めてもらうが、そこは変な人たちが多く住むところだった。

変な男に監禁されてしまうという話。女が迷ってきたならまだしも、何で男でそうなるのか、村の人たちの対応も私の理解を超えてしたし、しようという気も起きなかった。
そもそも嫌がらせされるだけの内容が面白いのか?
















僕と未来とブエノスアイレス 04・アルゼンチン・100分
(監・脚)ダニエル・ブルマン

数件の店が集まる商店街、ご近所同士皆知り合い。その中で女性の下着を売っている店を経営している女性の息子は、ポーランドへの移住を希望していた。

商店街の人と家族を巻き込みつつの話の内容はしっかりしていて面白いし、会話に勢いもある。また、アイデアというほどでもないが、さりげない部分にも面白くしようと気が配ってある(兄がビデオをしまってあった引き出しを閉めろと強く言っているところなんかも、男ならぴんとくる)。
ただつくりは少々難ありで、出だしのふらふらしたところや、人の顔にズームで寄っていくところなんかも見づらい感じがした。

それにしてもよく走ってます。低予算で勢いを出すためには、走るのがいいのかもね。太陽にほえろを思い出したりして。













ぼくを葬る(おくる) 05・仏・81分
(監)フランソワ・オゾン、(出)メルヴィル・プポー

カメラマンとしてバリバリ仕事をしていた31歳の男が、癌で余命わずかであると告げられた。ゲイの彼はボーイフレンドや、家族の関係をもう一度見つめ直すのであった。

若くして死を宣告された男の姿をしっかりと描いていて、別に派手なところのない話ではあるが、彼の苦悩が伝わってくる。また、ゲイの男の話だがそこに多く主眼を置いているわけではないし、嫌味は感じなかった。というか、結構いい体してます。ただ、時間の短い映画だと知らずに見て、えっここで終わっちゃうのと思ったので、もうちょっと話を延ばしてくれても十分続けられたような気がする。



















ホステル 05・米・93分
(監)イーライ・ロス、(出)ジェイ・ヘルナンデス、(制作総指揮)クエンティン・タランティーノ

アメリカの若者ら3人がヨーロッパ一周の旅をしていた。旅先では酒を飲んで大麻を吸って、いい女はいないかなエロエロとはじけまくって楽しんでいた。そんな彼らに、スロバキアに行けばいい女とウハウハし放題という情報が入り、喜び勇んでスロバキアのホステルに向かうのだった。しかしひとりふたりといなくなり・・・

出だしはエロエロするぞ〜ってな場面ばかりで怖くないが、綺麗なお姉さんのヌードが見られるので文句はいうまい。で、怖い場面になっていくのだが、期待していた人にはストーリーがまっとうすぎだし、そんなに怖くてすごいという場面がないので、少々物足りなく感じる人もいるかもしれないが、私からすれば残虐なシーンをサッと映して、その場の緊張感を高める普通の演出を重視してくれているこういった映画のほうが、見やすくて面白かったです。なんだかブルース・ウィリスの映画っぽかったりするけど。
ちらりと三池崇史監督が登場するのだが、日本人観光客はエセものっぽかったりして。

















ホテル・ルワンダ04・英・122分
(監・脚)テリー・ジョージ、(出)ドン・チードル、ニック・ノルティ、ソフィー・オコネドー、ホアキン・フェニックス、ジャン・レノ

フツ族とツチ族の間で対立が深刻化、多数派のフツ族がツチ族を虐殺し始めた。そんななか一流ホテルの支配人をしていたフツ族の男、妻がツチ族であったため家族をホテルにかくまうのであった。

実話がもとだけに、話の内容に重みがあり、最初から最後まで緊迫感がある。また主役の男の、正義感がとりわけ強いとかいうのではなく、普通の人っぽいところも現実味があって良かったし、その男を演じたドン・チードルほか、他の出演者も見せ場があり良かった。
さて、死体が転がっていたり、それなりの血も出てくるが、ホラーのような描き方ではないので、むごたらしくて見られないという事はないと思えるので、皆さんにお薦めしておきます。
この映画がインターネットでの公開希望の声を受けて公開されたなんて、公開希望した人たちはえらいが、映画会社の人は一体何を見ているのだろう。









マイアミ・バイス 
(監)マイケル・マン、(出)コリン・ファレル、ジェイミー・フォックス、コン・リー、ナオミ・ハリス

麻薬密売捜査の情報が漏れている事が判明、マイアミの警察官コンビが調査を開始する。

マイアミ・バイスといえばドン・ジョンソン、ドン・ジョンソンといえばマイアミ・バイスと言えるくらいなのだが、今回はコリン・ファレル。変なひげで登場し、どうみてもモテ男に見えないのに、モテ男役ってのは少々きついし、マイアミなのにコン・リーが恋人役っていうのもいまひとつ。やっぱりヒスパニック系の美人の方が合うでしょ。ただ、ひさびさの捜査ものだし、全体を通して謎や次の展開への緊張感があるし、銃撃戦なんかは迫力があった。









マッチポイント 05・英・124分
(監・脚)ウディ・アレン、(出)ジョナサン・リス・マイヤーズ、スカーレット・ヨハンソン、エミリー・モーティマー

プロテニスプレーヤーの道を断念した男が、イギリス上流社会のお嬢さんと出会い、交際を始めた。しかし同時に出会った女優志望の女の子への想いを断ち切れないのであった。

恋愛ものかと思いきや、どろどろした関係になっていくという話。系統からすると「重罪と軽罪」っぽい。こちらは若い人が主役かつイギリス上流社会という設定で、分かりやすくはあるがその分話のもっていき方に強引さを感じたし、肝心なところでいちいちハラハラさせようとする点などもちょっと気になった。

それにしてもエミリー・モーティマー、相変わらず「Dear・フランキー」のお母さんって思ってしまう。「猟人日記」にしろこの映画にしろ、不幸な役ばっかりだね。















ミュンヘン 
(監)スティーブン・スピルバーグ、(出)エリック・バナ、ダニエル・クレイグ、キアラン・ハインズ、マチュー・カソヴィッツ、ハンス・ジシュラー

ミュンヘンオリンピックでイスラエルの選手団がテロリストに殺された。まんまと国外逃亡を果たしたその首謀者を抹殺するため、5人の男が集められた。

実際の事件を発端に、テロリストを暗殺していくという話だから、それなりの緊張感が全編に渡って持続していて、まずまず面白い。ただ実話を元にしているだけで、登場人物の設定や話の内容は実話という感じではなく、実際の殺しの緊張感(映画の演出の緊張感はあるが)はあまりなかった。
また、主役の男が最初の事件を回想している部分は、当人がそこにいたはずがないので、明らかに変だし、どう見ても作り物のおなかを結構長く映したり、ギリシャでのイスラエルを擁護する会話も、何で素人みたいに感情的になっているの?など、ところどころ気になるところがあった。

この映画の前に、「ブラック・セプテンバー ミュンヘン・テロ事件の真実」、または「テロリスト 黒い九月ミュンヘン」を見ることをお薦めします。まあ、見なくても分かりますけど。













麦の穂をゆらす風 06・英126分
(監)ケン・ローチ、(出)キリアン・マーフィー

1920年南アイルランドのコークという町では、イギリス軍によるアイルランド人への横暴が続いていた。そんな中で医師の若者が、アイルランドの独立を求めた運動に身を投じる。

息をのむ出だしで、イギリス人の残忍さとアイルランド人の復讐心を一気に描くあたりはさすがケン・ローチ。その後の展開も真実さながらの厳しさをもち、ハラハラしたり、涙でウルウルしたり、心が熱くなったり、痛かったりと、とにかく素晴らしい。
終盤イギリスとの条約を巡って、アイルランド人同士が抗争するに至るのであるが、ラストは主人公の行動が少々行き過ぎに感じたので、もう少し何か説得力のある話が入っていても良かったような。
伝統歌の名前でもあるタイトルはとても趣深くていいね。日本なら”稲穂をゆらす風”か。あんまり時代に翻弄されるって感じじゃないね。


















モーガン・スパーロックの30デイズ 1 

「スーパーサイズ・ミー」でひと月マックを食べた男が、またまた30日連続で挑戦する企画もの。
2本立てで、最低賃金で生活してみよう、と、ホルモン注射とサプリメントで昔の体を取り戻そうという内容。

最低賃金で生活してみようは、監督本人と彼女が挑戦、特徴の無い内容に。それに懲りたか次回からは他の人が登場し、それを追う。昔の体を取り戻そうのほうは、問題がわんさと出てきて面白かった。

モーガン・スパーロックの30デイズ 2 

今回は、敬虔なキリスト教徒がイスラム教徒として生活してみようと、ホモなんて神の教えを冒涜していると考える田舎の若者が、サンフランシスコのゲイと一緒に生活してみようという内容。どちらも素人さんが出演。

無茶をするというより教育的な内容になってしまったが、いろんな人が暮らすアメリカの様子が分かって興味深い。

モーガン・スパーロックの30デイズ 3 

資源を使いまくる現代人の生活を見直すため、典型的なアメリカ人男女が、自給自足生活をしているコミュニティーで30日間生活する。
と、大学生の娘の飲酒を止めるため、母が反面教師として酒浸り生活を送る、の2本。

どっちもいまひとつ。自給自足の方は、特に目新しいところはなかったし、酒浸りの方は母が酒浸りになるという、よく分からない企画だし。あんなピチピチギャルを持った親も大変です。









燃ゆるとき 06・114分

(監)細野辰興、(出)中井貴一、鹿賀丈史

日本のカップラーメンの企業がアメリカに進出した。そこで働き始めた男が、さまざまなトラブルに立ち向かっていく。

製造業を描いた映画はあんまりないので、その点は評価したいところだが、テレビドラマのようなつくりだし、内容はお決まりのものだし、登場人物もまじめなだけで面白味無し。組合がどうこういうところは実際そんなことがあるんだろう、興味深かった。星一つ。
つくっているカップラーメンは見たことがある。ひとつ58セントくらいで売っていたような気がする。


















闇打つ心臓 05・104分
(監)長崎俊一、(出)内藤剛志、室井滋、本多章一、江口のりこ

幼い赤ん坊を殺したカップルを描いた8ミリ映画「闇打つ心臓」から時が経ち、その後の彼らの姿を内藤と室井が演じ、、リメイクとして本多と江口が赤ん坊を殺したカップルを演じる。お互いシンクロしながら、話は進行していく。

8ミリ版は観てない。この映画はリメイクという風にはなっているが、どちらかというと昔を回顧するという方が近く、8ミリ版の二人のその後と、現代版の二人、さらに8ミリ版の映像と、役者としての内藤と室井本人のリメイクするに当たっての映画への思い入れが描かれるという、少々こみ入った話になっていて、オリジナル版の話はどういうものか、この映画を観る限りではあまり分からない。
しかし挿入されている8ミリ版の映像は、8ミリならではの画像の荒さからくる真実味と、内藤室井の若さのもつ暴力性とか、もろさとか、だらしなさが、今の彼らからはちょっと想像できないくらいの姿で映し出されている姿はとても魅力がある。また、歳をとった二人の話もなかなか魅力的。一方現在を演じた二人は、話の構成上あまり良いところはなく、美しい映像担当という形に。
そして役者としての内藤と室井がこの映画とどう関わっていくのかという、制作現場の話も入っているのだが、これは私は当時の映画への思い入れを表したものとしてそれなりの効果を上げていたように思えました。ただラストの場面では、もう少し控えめな方が良かったような。

















雪に願うこと05・112分
(監)根岸吉太郎、(原作)鳴海章、(出)伊勢谷友介、佐藤浩市、小泉今日子、吹石一恵

帯広で輓馬(ばんば)の厩舎を営む兄の元に、十年以上顔を見せなかった弟が戻ってきた。その弟と兄の関係は、弟の結婚式がもとでとても悪いのであった。

東京国際映画祭グランプリ。コンペティション部門の中には「ダラス地区」や「ドジョウも魚である」など、良い作品が多い中の受賞なので、ちょっと期待。
内容は素直というか、ちょっと先が見えるのだが、それでも帯広を舞台にしっかりと登場人物が描かれているし、その内容も緊張感があり甘くないのもいいし、馬のかわいらしさと力強さが映像からひしひしと伝わってくる様はとても良かった。とくに吐く息の白さは崇高な印象すら受けた。

日曜夜で客がわたしを含めて4人とは。なんで「ダ・ヴィンチ・コード」と同じ日に公開するのだろう。もう少し競合相手を考えて公開してほしいものだが、大手映画会社配給でないと、こういう目にあうのかな。よい映画ですので、是非劇場に見に行ってあげて下さい。















ユニコーン・キラーを追え 99・米・98分
(監)ウィリアム・A・グレアム、(出)ナオミ・ワッツ

豊かな知識と人を惹きつける話で有名人となった男とつきあい始めた女性は、彼の自分中心のやり方に次第に我慢できなくなり、別れ話を切り出すのだが・・・

実在の事件を題材にした話で、こういう男や男女の関係って程度の差こそあれよくある話なので真実味がある。また裁判の大変さが伝わってくる点も良く、安っぽいホラーかと思いきや、社会派の内容も評価したい。
また男の容姿と行動は某教祖を連想させた。

















 05・韓国・90分
(監・脚)キム・ギドク、(出)ハン・ヨルム、チョン・ソンファン

60歳の男と16歳の少女が、船の上で二人暮らしていた。彼女は幼いときに拾われ、それ以来ずっと船上で生活していたのだった。そして17歳の誕生日におやじと結婚すると決めていた・・・

海の上の二隻の船が舞台で、それ以外海と空という、隔絶された世界でのオヤジの少女への愛を描いている。オヤジがピチピチ少女と一緒になるためには、このくらい異様な条件でないとかなわないという、とても納得させられるセッティングはいいし、ラスト付近のちょっとは演出も必要ってなところなど、エロオヤジの考えそうなことがいろいろ描かれている点が面白い。また限られた舞台だが、二人の主役の存在感もあり、映像面もなかなか。
ただ弓で作った楽器をとても弾いているようには見えないし、弓占いでブランコふらふらする必要が全く分からない、女の子が話さないので間がもたずに音楽に頼りすぎているって感じもした。それでもオヤジの滑稽なところが、オヤジの私にはなかなか面白かった。




















ゆれる 06・119分
(監・脚)西川美和、(出)オダギリ・ジョー、香川照之、伊武雅刀、新井浩文、真木よう子、蟹江敬三、木村祐一

母の法要のために、東京で写真家をしている男が久々に田舎に帰ってきた。そして兄と一人の女性の3人で吊り橋のある渓谷に行ったとき、事件が起こった。

今年のナンバー1確定。見事な出来でした。新たな才能に驚嘆と賛辞を惜しみません。絶対見るべし。










ヨコハマメリー05・92分
(監)中村高寛、(出)永登元次郎

横浜に顔を真っ白に塗ったおばあさんがいた。彼女は元娼婦で、昔からひとりで超然と生きていたらしい。そんな彼女と関わりが深かった、シャンソン歌手永登元次郎を中心にしたドキュメンタリー。

この映画が出来るまで全く聞いたことがなかった横浜のメリー、パッケージにもあるように一見気味の悪いおばあさんを巡って、昔の彼女と横浜の話を聞いたドキュメンタリー。
もちろんハマのメリーさんの超然とした生き方が浮かび上がってくる構成もいいのだが、いかんせん周りと話すということが少ない人だったので、それだけでは十分な内容にならなかったろう。しかし、彼女と一番仲良くしていたシャンソン歌手の永登元次郎の彼女への愛情と、末期癌におかされた彼自身の生き方が、ドキュメンタリーならではの真実味をもって、人生について感じさせてくれる。
最終的に彼女のことについて、生い立ちとか何であんな格好をしていたのとか、明確な答えは返ってこないが、それでも十分面白かったです。
こういう素直なドキュメンタリーは大好きだし、30歳の若手監督ということで、期待をこめて、満点。












RIZE ライズ05・米・87分
(監)デヴィッド・ラシャペル
ロサンゼルスの黒人ばかりが住むとても治安の悪い地域で、新しいダンスとダンスグループが生まれた。それは彼らの自己表現であると同時に、ギャングとのつながりを絶ってダンス仲間と生きていくという、厳しい環境ならではの事情もあった。

内容が思っていたより重かった。完全にドキュメンタリーで、ダンスグループの生みの親と、腰フリフリダンスの広がりを中心に描かれている。私は日本でダンスをする人たちのような、すがすがしい感じとに激しいダンス対決を期待したが、相当きつい生活とよく分からないダンス対決が一部あるだけで、特にダンス対決の方は期待はずれ。また、あのダンスは確かにオリジナリティがあるが、ヒップホップのような技があった方が、見ている方にすれば分かりやすかったかも。でも、海を前に踊るなどの場面は良かった。
きっちり生活に根づいた話であるが、ちょっと黒人の嫌な面が出過ぎたのもあるし、「フープ・ドリームス」や「コーチ・カーター」のように、スポーツっぽいものを期待した私も良くないが、入り込むというほどではなかったので、星二つ半。
















力道山 04・韓国、日本・149分
(監)ソン・ヘソン、(出)ソル・ギョング、中谷美紀、萩原聖人

戦後の日本、空手チョップで外国人レスラーを倒しヒーローとなった力道山の姿を描く。

力道山について何を知っているかと言われたら、街頭テレビに集まる人だかりの中で空手チョップを繰り出す姿くらい。あとは刺されて死んだ、ってなことぐらい。
ということで映画を見てみると、朝鮮出身という差別をバネにしてはい上がっていく姿、その中で我が強く孤独の中で生きていた、という点がうまく描かれているし、当時の日本の様子やプロレス関連の場面もしっかりと描かれている。また妻や暴力団との兼ね合いをうまく絡めたストーリー展開も良く、全体を通して緊張感があり、面白かった。
ただ必ずしも事実に基づいているわけではないので、知らない人の方が楽しめるのかな、私のように。















リトル・イタリーの恋 03・オーストラリア・103分
(監・脚)ジャン・サルディ、(出)ジョヴァンニ・リビシ、アメリア・ワーナー、アダム・ガルシア

オーストラリアのイタリア人移民が多く住む町に、結婚したくていろいろ努力しても報われない男がいた。そんな彼に美しい女性の写真を見せて紹介してくれる人がいた。

とってもほのぼの。話の内容やつくりは悪くないが刺激がなく、予告編で見た内容からあまり目新しさがなかった。また4人の主要登場人物の描かれ方も実感に乏しく物足りない。
監督は「きみに読む物語」「シャイン」の脚本を手がけた人で、「きみに読む物語」が好きでない私には、同系統のこの作品に面白味を感じなかった。「シャイン」は好き。













リトル・ミス・サンシャイン 06・米・100分
(監ジョナサン・デイトン、ヴァレリー・ファリス、(出)グレッグ・キニア

負け犬にならないための講座と本で儲けようとしている父の娘が、子供版美人コンテスト、リトル・ミス・サンシャインに入賞し、カリフォルニアでの本大会に出場することになった。それにじいさんや、お兄ちゃん、職を失ったゲイの学者などが同行し、古びた黄色のワゴン車で出発した。

負け組にどっぷりつかりそうな人たちが、それぞれ問題を抱えつつ、旅をするという話で、最初のうちは父の態度が偏り過ぎかなあと思ったり、全体的に出来過ぎな話の展開の連続だったりするが、だんだんと彼らに同情同調出来るようになっているあたりはうまいし、個性的な登場人物の良さも次第に出てきて、ツッコミどころも大目に見られました。それもあのラストのおかげかな。良かったです。
設定次第でロードムービーはいくらでも出来ちゃうという良いお手本ですね。
















リトル・ランナー 04・カナダ・98分
(監・脚)マイケル・マッゴーワン、(出)アダム・ブッチャー

父が戦死し、母が病気で意識不明になった少年が、奇跡を起こすためにボストンマラソンで優勝することを決意する。

予告だけで涙が出てきそうな内容で、その時点でうまいなあと思わせる。で、実際見てみて、思ったよりもシモネタ話が多かったり、マラソンの場面をもっと引っ張ればいいのにとか、少年の演技がいまいちなところなど、初監督作品と言うことで細かな点までつめてあるという印象でなく、いろいろ問題点はあるが、やっぱり話の筋がお決まりだけれど良いので、満足できました。特に友達とのやりとりが良かったし、好きになった女の子の兄弟姉妹がうろうろ出てくるところなどの、ちょっとした笑いのセンスも悪くない。










リバティーン 04・英・110分
(監)ローレンス・ダンモア、(出)ジョニー・デップ、サマンサ・モートン、ジョン・マルコビッチ

1660年代イギリス、社交界で浮き名を流した詩人が王の元に呼ばれ、王の権威を高めるための歌劇の制作を依頼される。

出だしの挑発的な台詞のわりに前半はおとなしい。どこが放蕩の詩人なのか、確かに皮肉の混じった会話は悪くないが、女優との関係もとっても月並み。後半それなりに無茶をしているが、シモネタに走っているだけのような感じもして、思ったほどの過激さはなかた。でも終盤は男のぶざまな姿を描いていて、美しいジョニー・デップではなかったが、良かった。
サマンサ・モートンちゃんの良さは全く見られず、マルコビッチは存在感を発揮していた。
















輪廻 05・96分
(監)清水崇、(出)優香、香梨奈、椎名桔平

30年以上前、ホテルで11人が殺されるという事件が起こった。その事件を題材に映画を制作中、出演者に奇妙な事が起き始める。

「呪怨」同様白塗りの人が登場して、その人たちが見えたり見えなかったりするという、相変わらずの内容。確かにびっくりする場面はあるし、ちょっとしたオチもあるけど、またかって感じです。せめて恨みを晴らす程度の話を入れて欲しい。


















玲玲(リンリン)の電影日記 04・中国・100分
(監)シャオ・チアン、(出)シア・ユイ、チアン・イーホン、クアン・シャオトン、リー・ハイビン

母が映画女優のように美しいということで、幼い頃から映画に憧れていた少女の、ほろ苦い子供時代を描く。

中国版ニューシネマ・パラダイスということで、確かにそういった感じの映画。ただ話の内容がベタベタコテコテで、いろんな事があるのは結構だが、作り話っぽい。子供時代の話も、子供がそういう考えを持っているとはとても思えないような内容で、やらされているという感じが出てしまっている。男の子なんかはいい味出してるのにね。いかにもな話の展開でも大丈夫という人は、それなりに楽しめるかな。











ルナシー 05・チェコ・123分
(監)ヤン・シュヴァンクマイエル、(出)パヴェル・リシュカ

精神病院に収容されている男が、そこにいた伯爵と一緒に馬車で彼の家へ行くことにした。そこで伯爵が神を冒涜し女を犯しているのを目撃する。

舌やら肉やらが動く場面が区切りごとに出てきて、いかにもシュヴァンクマイエル監督ならではという珍妙さがある。また出だしの馬車での移動や、伯爵のキリスト教を冒涜する場面などはとても良かったのだが、だんだんと精神病院内の話に逆戻りしていって、病院長や看護婦看守、他の患者とのからみの場面は、なんだかどたばたやっているだけで、あんまり面白くなかった。特に治療法がどうこういうところはなんのことだか。
出だしの無茶さを継続して、話の内容も何のことだろう、分かったような分からないような、でも映像がすごいから面白かった、という方が納得いったろうに。












るにん 04・149分
(監・出)奥田瑛二、(出)松坂慶子、西島千博

流刑の地八丈島で体を売って生活をしていた女が、新たにやってきた男と恋仲になった。そしてその男と共に島から脱しようとするのであった。

映像面のつくりは良く、あんまり話と関係のない場面があるものの、大自然を生かした面白い映像が撮れている。ただ話の内容は問題点が多い。まず流刑者たちがどういった生活をしているのかよく分からないので、全体像が見えない。それを西島君を通して描けば良かったのに、脇の人たちの話が主体になっていくから、いまひとつすっきりしないし、主役二人の関係も十分とは言えない。さらに付け火をした女の話も出来過ぎで、ところどころ面白くしようとして消化不良になっている場面があったし、エロの部分もあまり効果を上げていない。
個人で頑張っている奥田瑛二のこれからの活躍を期待して、問題は多いけれども、星二つ半。

懸賞生活のなすびが出ていて、結構おいしい役でした。

ちなみに・・・最後気になったことが・・・見た人はスクロール























細かな言葉までとやかく言うつもりはありませんが、最後の場面で”自由”と言っていたのは、キーワードだけに気になりました。ちなみに自由は明治になってからの翻訳語です。













レイヤー・ケーキ 04・英105分
(監)マシュー・ヴォーン、(出)ダニエル・クレイグ

ビジネスとしてのルールを守りつつ麻薬を売りさばいてきた男は、そろそろ引退を予定していた。しかし彼の手腕を必要としているボスがそう簡単に彼を辞めさせるはずもなく、次の仕事として厄介なことを言い出す。

ダニエル・クレイグが麻薬のディーラーを知的に演じており、スタイリッシュな映像と相まって、なかなか雰囲気のある作品になっている。脇を固めるボスや仲間なんかも、みんな一癖ありそうでいい。
話はギャング組織間の抗争を絡めたサスペンスで、別段目新しいところはないものの、最初から最後まで勢いと緊張感が持続していて面白かったです。まあ、ビジネスマンと割り切っていた主人公が急に007みたいになったり、話の流れはうまくいっているけど実際そんな簡単かな?みたいなところは多分にあったりしますが。
DVDには監督の話が副音声にあって、映像や音楽のこだわり、撮影の様子が語られている。また、いろいろ問題点なんかを話していて、この場面をいれるか削るかなどという部分は、結構ゴタゴタしている感じでした。


















レジェンド・オブ・ゾロ 05・米・126分
(監)マーティン・キャンベル、(出)アントニオ・バンデラス、キャサリン・ゼタ・ジョーンズ

カリフォルニアが米国に編入するかどうかで揺れる中、悪人が土地の買収を始めていた。そんななか子供をもうけたゾロと妻の関係がぎくしゃくしてしまう。

続編だけど前作を見なくて大丈夫。間口を広くしているのだが、話の内容も幅広い層に楽しんでもらおうという内容で、きっちりまとまっているものの、どこかで見たような、悪く言えばありがちな話。映像面の方は金がかかっていて、エンターテイメント映画として十分合格点だが、迫力があるかといわれると、さほどでもなかった。
全体的にまとまっているが、あんまり特徴がなかったので、ちょっときつめに星二つ。前作はアンソニー・ホプキンス演じる老いたゾロという影の部分が良かったのだが、今作はそういった部分がないのが、ストーリーを浅くしているように思えた。
















RENT/レント 05・米・135分
(監)クリス・コロンバス、(出)ロザリオ・ドーソン、テイ・ディックス、ジェシー・L・マーティン、イディナ・メンゼル、アダム・パスカル、アンソニー・ラップ、ウィルソン・ヘレディア、トレーシ・トムズ

ニューヨークの古びたアパートを再開発するため、オーナーは住人に立ち退きを求めていた。しかし芸術家の卵が多く住むそこの住人たちは金もなく、立ち退きを拒否していた。そんななかで、恋、ドラッグ、エイズなど様々な問題に直面するのであった。

ミュージカルの役者さんが多数出演していることもあり、みんな歌がうまく、本場のミュージカルをそのまま映画にしたという感じで、迫力満点。また、ストーリー自体はそんなびっくりするようなものではないが、登場人物それぞれがバランス良く活躍している。
ただ、最初の場面や頭を打ったときの場面など、もう少し想像力をかき立てられる場面があった方が私は好きなのと、あと最初の曲以外すぐ思い出すような曲がなかったのも、残念。
「プロデューサーズ」はおふざけ映画として面白かったが、こちらは本物なので、こちらを見逃す手はないです。

私のアパートでも住人みんなで家賃滞納の歌を歌ってみたい。


















ローズ・イン・タイドランド 05・米・117分
(監)テリー・ギリアム、(出)ジョデル・フェルランド、ジェフ・ブリッジス

麻薬中毒の両親をもつ少女は、人形の頭と会話する、ちょっと変わった女の子であった。彼女と父が枯れ草生い茂る土地に住み始めるが、近所には変な住人がいた。

女の子がきゃーきゃー言うのばかりが印象に残るが、一体何の話かよく分からない。女の子の妄想の世界を主体にするのならまだ分かるのだが、なんで死体を保存するという妙な事と結びつくのだろう。醜悪な印象がした











ロケット 05・カナダ・125分
(監)シャルル・ビナメ

カナダの国民的ヒーロー、モーリス・リシャールを描いた映画。ケガに弱いと言われたアイス・ホッケープレイヤー、モーリスはフランス系カナダ人であるということで、イギリス系カナダ人から差別を受けていた。その屈辱をバネに不屈の闘志で名プレイヤーになり、社会の不正をただすためにも立ち上がる。

少年時代から選手時代と長期にわたる場面を詰め込んだといった感じ。つくり自体は相当時代考証なんかしっかりしていて良いし、彼の頑固さは十分伝わってきたが、彼を知らない人にすればちょっと盛り上がりに欠けるし、イギリス系とフランス系という少々分かりづらい対立もいまひとつな原因か。

で、質問タイム。内容もそうだが、ゲストが脚本家と出演者ということもあり、あんまり質問するようなことがない。仕方ないから様子見。
アイスホッケーのシーンをとるにあたって苦労したことなんて質問のあと、最後にわたしが質問。少年時代から選手時代壮年期を描いているが、どのようなバランスで彼の一生を描こうとしたのか、そのバランスで苦労したことは?また、引退後なんかは描こうとしなかったのか?という質問をしたら、
「下調べをした段階で10本の映画が出来るくらいの出来事があった。それを何とかつめるときに、私が幼いとき代々のチームのキャプテンが紹介されることがあって、このモーリス・リシャールも紹介され、その時拍手が16分間鳴りやまなかったことを記憶していて、彼がずっとこんなに人々に賞賛されるという、その神髄はなにかという点に集中して脚本を構成していった。」という答えだった。














ロシアン・ドールズ 05・仏・130分
(監)セドリック・クラピッシュ、(出)ロマン・デュリス、ケリー・ライリー、オドレイ・トトゥ

「スパニッシュ・アパートメント」の続編。30歳になり売れない脚本家としてメロドラマなどを書いている男が、自分に合った女性を捜していろいろ女性に声をかけてみるが・・・

前作はヨーロッパで共同生活をしてみたらこんな感じかなという話だったが、細かな人物像などはすっかり忘れて本作に。
やっぱりオドレイ・トトゥちゃんとの恋物語になるのかなあと観ていると、手当たり次第に女の子とやっちゃって、それでああやっぱりあの子がいいんだ、などと手前味噌な話に。勝手にして下さいってな感じで全然面白くなかった。















忘れえぬ想い 
(監)イー・トンシン、(出)セシリア・チャン

バスの運転手をしていた男が死んだ。愛する人を失った女は彼の職業であったバスの運転手になることを決意し、慣れない仕事を始める。

バスといっても中型20人乗り程度の大きさ。ただ恋人が死んでいきなり素人の女性がバスの運転手になるという話の展開に相当つらいものを感じ、その時点でついて行けなくなった。そうなるとその後の苦労話は何の面白味も感じることが出来なかった。無星はさすがにきついか・・星半分に。